今日は気温がぐっと下がり花冷えの陽気ですね、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
このすえひろはといえば、国立劇場の小劇場にて邦楽演奏会を楽しんでまいりました。河東節、新内、常磐津、小唄、筝曲、義太夫を次々に拝聴し、大変贅沢な時間でした。やはり当代国立劇場の小劇場は音響が素晴らしいですね。取り壊してしまうのは本当にもったいなく、残念に思います。
邦楽は多種多様で、歌舞伎の舞台ではなかなか聞くことのできないものもありますので、混合の演奏会は貴重な機会です。国立劇場ならではの楽しみでしたので、建て替え期間はどうなるのかが気がかりです。開催が続きますようにと祈っております。
それはさておき、あす26日(日)21: 00からNHKEテレにて放送される「古典芸能への招待」で、2022年12月南座の舞台映像が放送されるそうです!
NHKEテレ「古典芸能への招待」とは、毎月月末の日曜日に放送されている古典芸能番組です。歌舞伎、能、狂言などの古典芸能の舞台映像が放送されています。月により放送されるジャンルが異なり、今月は歌舞伎ということです。放送の配信サービス「NHKプラス」には対応していないと思いますので、何卒お気をつけください。
今回放送されるのは2022年12月に南座で上演された「年増」「女殺油地獄」の二本です。特に「女殺油地獄」は近松門左衛門の名作として知られる演目で、様々な演劇にも取り入れられている作品です。内容を端的に申しますと、不良青年による殺人事件です。現代にも通じるような内容ですので、歌舞伎にご興味をお持ちの方にはぜひにとおすすめいたします!
このブログでも、過去にポイントご紹介いたしました。予習復習等にお役立ていただければ幸いです。
そもそも女殺油地獄とは
女殺油地獄(おんなころし あぶらのじごく)は1721年(享保6)に大坂の竹本座で人形浄瑠璃として上演された近松門左衛門の作品。その後江戸期にはほとんど上演されることなく、1909年(明治42)に大阪の朝日座で歌舞伎として上演された演目です。
鮮烈な名場面として知られているのが、油まみれになっての殺しのシーンです。ふとした瞬間に魔が差し、人を手にかけてしまう心情とはどういったものなのか、人間の本質に迫るようなセンセーショナルなシーンです。
主に上方の名優たちが歌舞伎や映画で守り残してきたゆかりの深い演目であり、大切に伝承されてきたものです。今回放送の映像では、上方歌舞伎の今後を担う愛之助さんと孝太郎さんがお勤めになっています。
登場する上方の習慣
「女殺油地獄」に登場する上方の商習慣・文化についてご紹介いたしました。何らかのお役に立つかと思います。
義太夫狂言とは
「女殺油地獄」は、義太夫という浄瑠璃に乗って展開していく物語です。こういった演目は義太夫狂言と呼ばれていて、特別な演出で上演されます。
義太夫狂言の特徴や、代表的な演目、おすすめのサイト・書籍などについて3回に分けてお話いたしました。他の演目をご覧になる際にも役立つかと思いますので、ぜひご一読ください。