ただいま歌舞伎座で上演中の鳳凰祭四月大歌舞伎
現在の第五期歌舞伎座が開場から十周年を迎えた記念の公演です!
現在夜の部「与話情浮名横櫛」にご出演中の仁左衛門さんの体調不良により、7日(金)まで夜の部が上演中止中です。大変心配な状況ですが、8日(土)からの公演再開を願いまして、夜の部にまつわるお話をしたいと思います。
夜の部で上演される「連獅子」は、多くの方が歌舞伎といえばこれと思い浮かべるような定番の歌舞伎舞踊です。親獅子と仔獅子が赤と白の毛をぶんぶんと振り回すシーンが大変有名ですね。親子の情愛を描いた作品ですので、襲名披露などの記念の舞台や親子共演などゆかりの深い方々のご共演で上演されることが多いです。
今回の歌舞伎座もまさしく親子共演の舞台です。実の親子である松緑さんと左近さんが、親獅子、仔獅子をお勤めになります。近年非常に上演頻度が高く、過去の上演にお話したものがいくつかありますので、ひとつまとめたいと思います。何らかのお役に立てれば幸いです。
連獅子とは
連獅子(れんじし)は歌舞伎演目の中でも大変有名ですので江戸時代の作品のようなイメージがあるかもしれませんが、実は明治時代に入ってから生まれた作品です。1872年(明治4年)に東京の村山座で初演されました。作者は、幕末から明治にかけて活躍した名作者の河竹黙阿弥です。
「獅子の子落とし」の伝説をもとに作られている作品のため、襲名披露など記念すべき場面において親子でお勤めになることが多く、近年もかなり高い頻度で上演されています。もちろんそれ以外の場面でも上演があります。
ざっくりと内容をつかむ
まずは内容をおおまかに3ブロックでご紹介したのがこちらの回です。
詞章と内容
3ブロックそれぞれの内容と特徴的な詞章をご紹介したのがこちらの回です。
詞章が聞き取れますとより舞踊の世界を楽しめるのではないかと思います!
清涼山の石橋伝説から
「獅子」と聞きますと、やはり思い浮かべるのはライオンではないでしょうか。しかしながら、あの長い毛が表現しているのはネコ科のライオンのたてがみではありません。
ここでいう「獅子(しし)」というのは、中国清涼山の伝説上の生き物のことであります。獅子という生き物とあの長い毛についてお話したのがこちらの回です。かなり古い記事ですので、機会を見て改めてお話したいと思います。