歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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歌舞伎座夜の部を見てきました 2023年4月

今日の東京は大変な大雨でしたね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

このすえひろはといえば、21年の歳月をともにした愛猫を連日連夜の看病のすえに亡くしまして、この大雨の中で鼠小僧のお寺に連れて行き、小さなとむらいをしてまいりました。猫くらいでなんだと叱られてしまうかもしれません。しかしかなしみの度合いが想像をはるかに超えていて、立ち直るにはしばらく時間がかかりそうです。参りました。

そんなわけですから、今はちょっと感性のアンテナが狂ってしまい、かなり心が動きにくくなっているのですが、備忘録として感想を少しばかりしたためておきたいと思います。すみません。

 

夜の部は「与話情浮名横櫛」「連獅子」という狂言立てです。

与話情浮名横櫛」については先日も感想を述べましたのでまた後日改めて。

 

連獅子」は、松緑さんと左近さんの親子共演の舞台。先日は急遽拝見できなくなってしまったためようやく拝見できました。とにかく素晴らしいひと幕でした。

本来の振付を超えたエモーショナルな味付けが感じられても全くおかしくないところを、ただひたすらに美しき形・美しき動きを粛々と極めんとするようなストイックな味わいで、独特の緊張感がありました。良い意味で松緑さんと左近さんの人間的背景に想いが向かわず、舞踊の道を行く方々が一つ一つの動きにかける思いの丈を見たような。ひとりひとつの命を懸けた芸の道を歩む方々の姿には、深く胸を打たれます。

 

1階から拝見していると、3階2階から降り注いだ拍手が、1階に跳ね返ってウワーッと湧き上がるように共鳴していくさまが感じられて、鳥肌が立ちました。千穐楽や復帰の舞台でもない普通の平日において、客席でここまでの熱気を感じたのは久々だったと記憶しています。千穐楽はどうなってしまうのか、本当に楽しみです。

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