歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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六月大歌舞伎より、ついに幕見が復活しますね…!

明日からいよいよゴールデンウィークですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

このすえひろはといえば、映画「男はつらいよ」シリーズを順に見ようと急に思い立ち、2作目まで見たところです。不勉強ながら断片的にしか見たことがなく、しっかり見るのは初めてでして、あまりのおもしろさに声を出して笑いました。昔の映画は不思議と元気が出ます。

一幕見席リニューアルオープン!

それはそうと、今日はうれしいニュースがありましたね!!再来月の六月大歌舞伎より歌舞伎座の一幕見席がリニューアルオープンされるとのことです!!!

www.kabuki-bito.jp

 

一幕見席というのは、簡単に言えば「一幕だけをリーズナブルな価格で楽しめる当日券自由席エリア」のこと。高価なイメージのある歌舞伎を好きな幕だけお手頃価格で楽しめるという素晴らしいシステムです。コロナ前は観光の方から何回も通うファンの方まで多くの方に人気で、歌舞伎座左手の空間にはしばしば行列ができていましたね。

 

リニューアルオープンに伴って「当日券自由席(1人1枚・現金)」と「前売り指定席(4枚まで・クレジット)」を両立するシステムに変わるようです。

前売り指定席なら同行者の分を購入しておくこともできますし、かつてあった販売時刻・入場時刻などの時間制約や行列がなくなるのはありがたいなあと思います。

 

しかしながら指定席が約70席、自由席が約20席という比率ですので、かつてのように空き時間にフラリと立ち寄って歌舞伎を見るというのはなかなか難しくなりそうです。宙乗りがある月などは下手側の座席に入れませんから、自由席の競争率が相当に高くなると思われます。

また前売り指定席はネットのみでの販売ですから、インターネットやクレジットカードをご利用にならないご高齢の方にはなかなか厳しいですね。クレジットカードをお持ちでない学生さんのことも気がかりです。今後、電子マネーやスマホ決済など、様々な決済方法が増えると良いなあと思います。

 

なにはともあれ、まずは復活がうれしいです!!!

このすえひろも前の歌舞伎座のころから幕見席が大好きでして、建て替え後も幾度も幾度も足を運んでおりました。仕事帰り、買い物帰り、好きなタイミングで芝居を見ることができたのは、今思えばなんと幸福だったのかと思います。

 

幕見席では吉右衛門さん、三津五郎さん、團十郎さん、勘三郎さん、もう挙げきれないほどの素晴らしい芝居の数々を目撃してきました。まるでそれが当たり前の日常かのように。振り返って今思えば、その場、その瞬間にしかない出会いだったんですね。大切な芝居仲間の方々にも出会うことができ、私にとっては青春のシンボルのような空間です。

前の歌舞伎座のころは学生でしたから、手ごろな幕見席というものがなければ、そもそも歌舞伎を見てみようと思うことはなかったかもしれません。そのおかげで人生の楽しみができたわけですから、コロナ禍の苦難を経て一幕見席が復活したというのは、格別のうれしさがあります。歌舞伎座の方々に感謝しきりです。

これを機に歌舞伎興行がますます盛り上がり、苦難を乗り越え、末永く続いていきますようにと祈っております。

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