来たる14日(火)は6月の歌舞伎座公演
六月大歌舞伎のチケット一般発売日です!
六月大歌舞伎では、時蔵さんの初代萬壽、梅枝さんの六代目時蔵の襲名披露が行われます。さらに梅枝さんのご子息の五代目中村梅枝初舞台、獅童さんのご子息方の初代中村陽喜、初代中村夏幹初舞台の舞台でもあり、大変おめでたい公演です。
六月は特に昼の部で学生さんの団体が多いようです。チケットは早めの確保をおすすめいたします!
公演の詳細
一般発売日
5月14日(火)10:00~
会期・上演時間
2024年6月1日(土)~24日(月)
昼の部 11:00~
夜の部 16:30~
休演日:11日(火)、17日(月)
チケット料金
一等席 18,000円
二等席 14,000円
3階A席 6,000円
3階B席 4,000円
1階桟敷席 20,000円
このほか、一部事前予約制でリーズナブルな「一幕見席」があります。三階席のチケットは早めに埋まってしまいますが、一幕席であれば前日予約が可能ですので、ぜひこちらもお試しください。
おすすめのポイント
六月大歌舞伎は、時蔵さん梅枝さん親子の襲名披露公演、ご子息方の初舞台があります。
梅枝さんはご活躍が目覚ましく、将来への期待感、信頼感が常にストップ高状態での満を持しての襲名とあって、陰ながら応援してきた者として興奮を禁じ得ません…!まだまだ第一線でありながら、ご健在のうちにご子息にお名前を譲られる時蔵さんの素晴らしいご決断に感服しきりであります。
しかし梅枝というお名前も楚々として大変お似合いでしたので、もうお呼びできない寂しさもまた強く。襲名というシステムのなんとも言えない味わい深さを堪能しております。昼の部「妹背山婦女庭訓」はどう考えても名舞台必至ですので、初めて歌舞伎をご覧になる方にもぜひにとおすすめいたします。
今回初めてご覧になる方へ、各部の内容をごく簡単にご紹介いたします。演目選びのご参考になさってください。
昼の部は「上州土産百両首」「義経千本桜 所作事 時鳥花有里」「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」というラインナップです。
「上州土産百両首」は、世の道に外れた二人の男たちの深い絆を描いた物語です。お好きな方には非常に突き刺さるジャンルの物語ではないかと思います。今回は兄貴分の正太郎を獅童さん、おっちょこちょいな弟分の牙次郎を菊之助さんがお勤めになります。珍しい組み合わせで楽しみですね!
続く「義経千本桜 所作事 時鳥花有里」は、名作・義経千本桜の中の舞踊の一幕です。壇ノ浦の戦いで見事平家を滅ぼしながらも、兄・頼朝に疎まれて都を追われることとなった義経が、大和へと逃げるワンシーンを描いています。義経千本桜のなかでも比較的上演頻度の低い幕ですので必見です。今回は義経を又五郎さん、旅の途中で出会う傀儡師をご子息の種之助さんがお勤めになります。お二人とも舞踊の名手です。
最後の「妹背山婦女庭訓 三笠山御殿」は、当代梅枝さんの六代目時蔵襲名披露狂言。女形の役者さんにとっての大役・名場面として大変有名な演目です。内容としては、身分違いの思い人を追いかけて御殿に迷い込んでしまったお三輪という酒屋さんの娘が、様々ないじわるをされ、嫉妬心を爆発させ、散々な目に遭う…というハードな冒険であります。ひどいを仕打ちを受けるからこそお三輪の一途さが際立つ、というドラマの残酷さが非常に魅力です。梅枝さんは六代目時蔵としてそんなお三輪をお勤めになります。
思い人の求女には萬壽を襲名されるお父様、恋のライバル橘姫には七之助さん、そしてお三輪をいじめぬく官女たちに錦之助さん隼人さんはじめ錚々たるご親戚の方々が揃っている非常に豪華な配役です!
夜の部は「南総里見八犬伝」「山姥」「魚屋宗五郎」という狂言立てです。
「南総里見八犬伝」は、曲亭馬琴による大人気小説から。八犬士たちが仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の玉を持って集合するという名シーンです。昨年放送されていた朝の連続テレビ小説らんまんでも、主人公の妻の寿恵子さんが大の八犬伝ファンという設定でしたので、ご興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか!
今回は歌昇さんや巳之助さんはじめ若手花形の方々が揃います。上演される場面に特にドラマがあるわけではないのですが、ただただシーンのカッコよさを堪能するというのも歌舞伎の魅力の一つかと思います。
続く「山姥」は、当代時蔵さんの初代中村萬壽襲名披露狂言。当代梅枝さんのご子息小川大晴さんの五代目中村梅枝 初舞台でもあります。いわゆる「金太郎は山姥のお母さんに育てられた」という伝説を描いた舞踊劇で、その山姥を時蔵さんが初代萬壽として、怪童丸のちに金太郎を大晴さんが五代目梅枝としてお勤めになります。
梅枝さんも六代目時蔵としてご出演になり、昼の部「妹背山婦女庭訓」と同様、親子三代が揃う劇中口上があります。
最後の「魚屋宗五郎」は、獅童さんのご子息の初代中村陽喜 初代中村夏幹 初舞台として上演される演目です。魚屋の宗五郎は、普段は真面目ながら酒乱であり、好きな酒を断っています。しかし妹が殺されてしまい、やりきれず酒を口にしてしまうのです。果たして宗五郎はどうなってしまうのか…という内容です。
今回は宗五郎を獅童さんが、宗五郎に酒を届ける丁稚をお二人のご子息がお勤めになります!この演目は人間の弱さ、哀しさ、そしておかしみが全て詰まっている本当に見事なドラマで、このすえひろも大好きです。セリフも現代語に近いので、初めてのご覧になる方にもとてもわかりやすいのではないかと思います。
どちらの部も初めての方におすすめなのですが、前でも申しましたように昼の部「妹背山婦女庭訓」を強くおすすめいたします!
今後何度もお勤めになると思われますが、六代目時蔵として歌舞伎座での初めての舞台は生涯このひと月きりであり、今後何度となく語られる思い出深い舞台となるはずですので必見です。
個人的には、仁左衛門さんが豆腐買おむらをお勤めになるのを非常に楽しみにしております!!なかなか見られない豪華な配役を楽しめるのも襲名披露の醍醐味ですね。