歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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十月をふりかえり… 2024年

早いもので今日で十月もおわり…

今月は歌舞伎座夜の部が完売ということもあり、夜は常に劇場がにぎわっていてうれしいひと月でありました。

そしてハロウィンといえば勘九郎さんのお誕生日ですね!おめでとうございます!今年もお元気で、ご活躍をたくさん拝見できますように。

   

私にとりましては、なんといっても仁左衛門さん玉三郎さんの「婦系図」が今月最大のトピックでした。まさか見ることが叶うとは思わなかった夢のような上演機会で、劇場へ行くことができない日も、常に歌舞伎座の舞台に思いを馳せながら過ごしていました。

何度も同じことを書いている気がしますが、新派の芝居は本当に良いなあとつくづく思います。直接的な説明ではないのに人物像とその場の思いが零れ落ちるようなせりふの言葉遣いや演出が美しくて大好きです。

お蔦が別れ話の前に障子紙と一緒に刷毛を買っていて「何の役にも立たなくなっちゃった…」と言うところ、早瀬がしばらく静岡に行くと聞いて「静岡って箱根より遠いんですか?」と聞くところなどなど、挙げればきりがありません。こうしたやり取りからお蔦と早瀬の胸のうちがありありと想像でき、どうしても涙が出てしまいます。

近代の日本には素晴らしい芝居がたくさんあるのですね。上演機会を逃すとなかなか生で見ることができないので、アンテナを懸命に張りながら過ごしていかねばと思います。

 

来月十一月の歌舞伎座は舞台機構の工事のため、通常公演ではなく特別公演が予定されています。本来でしたら顔見世の時期ですので少し複雑な思いですけれども、舞台機構が再起不能な状態に至らず本当に良かったですね。

 

来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今夜は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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