ただいま香川県琴平町の旧金毘羅大芝居(金丸座)にて上演されている
第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居
「令和の大改修 杮落とし」と銘打たれた公演で、実に5年ぶりとなる開催です。こんぴら歌舞伎大芝居は、現存する最古の芝居小屋での歌舞伎公演。ここだけの特別な体験を求めて、全国からお客さんが訪れる人気の公演であります。新型コロナウイルスによる中止を経ての久しぶりの公演開催に、このすえひろも遠い土地より喜んでおります。無事に千穐楽を迎えられますように。
第二部で上演されている「松竹梅湯島掛額」については、こちらのブログで過去にお話したものがいくつかありますので、ここにひとつまとめてみます。芝居見物などなんらかのお役に立てれば幸いです。
そもそも松竹梅湯島掛額とは
松竹梅湯島掛額(しょうちくばい ゆしまのかけがく)は、1890年(文化1)3月に江戸の守田座で初演された「其昔恋江戸染」と、1856年(安永2)に江戸の市村座で初演された「松竹梅雪曙」から、それぞれの名場面「お土砂の場(天人お七)」と「火の見櫓の場(櫓のお七)」をつないだ演目。江戸時代に実在した少女の放火犯「八百屋お七」を描いた数ある演目のうちのひとつです。
八百屋お七については下の回でさらっとお話しておりますので、ご一読いただければ幸いです。
ざっくりとしたあらすじ
下記の一連の回で、お芝居の内容についてお話しております。
謎アイテム「お土砂」について
松竹梅湯島掛額には、かけたものすべてがぐにゃぐにゃになるという謎のアイテム「お土砂」が登場します。これはこの芝居のみに登場するトンデモアイテムなわけではなく、きちんとした由来のあるものでした。それについて調べてみたのがこちらの回です。
過去の名優たちのエピソード
こんぴら歌舞伎での上演ということで、この演目にゆかりのある過去の名優たちのエピソードをいくつかご紹介いたします。マニアックな内容で、芝居見物に直接的に役立つわけではありません。しかしお読みいただきますと、現在の芝居の来し方に少し思いを馳せることができるのではないかと思います。