歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

広告

【2024年4月 歌舞伎座で上演中!】やさしい於染久松色読販 土手のお六・鬼門の喜兵衛 まとめ

ただいま歌舞伎座で上演中の四月大歌舞伎

昼夜ともに古典の名作と華やかな舞踊が並んだ狂言立てで、歌舞伎が初めての方にも見やすい内容なのではないかと思います。しかし昼夜で雰囲気はがらりと変わります。上方のドラマチックで濃厚な演目をじっくりとご覧になりたい方には昼の部を、江戸の軽やかな味わいを楽しみたい方には夜の部がおすすめです。

 

夜の部で上演されている「於染久松色読販 土手のお六・鬼門の喜兵衛」は、江戸の名作者・四世鶴屋南北の人気作品のワンシーンです。今月上演されるのは、土手のお六と鬼門の喜兵衛という小悪党の夫婦がゆすりかたりを画策して金を巻き上げようとする場面であります。

今月は歌舞伎界屈指の名コンビとして知られている仁左衛門さんと玉三郎さん、いわゆる「ニザ玉」のご共演で大変話題を呼んでいます。お二人は麗しくさわやかなラブラブのカップルももちろんのこと、お六と喜兵衛のような本当にたちの悪い、関わりたくないようなカップルも絶品で、おかしみに溢れていますね。最高です。お二人の息の合った芝居は天下一品のおもしろさですので、迷っておいでの方にはぜひにとおすすめいたします。

この演目については過去にお話したものがいくつかありますので、ここにひとつまとめてみます。何らかのお役に立てれば幸いです。

そもそも於染久松色読販とは

於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)は、「大南北」と呼ばれた名作者・四代目鶴屋南北作のお芝居。1813年(文化10)の3月、江戸は森田座で初演されたものです。題名にも入っているお染久松は江戸時代に心中事件を起こした有名なカップルで、様々な浄瑠璃・歌舞伎が作られています。この場面もそんなお染久松シリーズのうちのひとつです。

お染久松とは?

まずはお染久松について簡単にご紹介した回がこちらです。今月の場面には登場しませんが、他にもさまざまな演目に登場する有名カップルですので、ざっくりと把握しておくと役に立ちます。

www.suehiroya-suehiro.com

「土手のお六」のあらすじ

土手のお六の場面についてのあらすじをご紹介したのがこちらです。さまざまな事情が入り組んでいるように感じられるかもしれませんが、実際の舞台は見ているだけでも充分楽しめますのでどうぞご安心ください。

www.suehiroya-suehiro.com

www.suehiroya-suehiro.com

www.suehiroya-suehiro.com

www.suehiroya-suehiro.com

極悪老婆にあらず「悪婆(あくば)」

土手のお六は、女形の役どころの中でも特徴的な「悪婆(あくば)」というものです。どんな役どころなのかということをご紹介したのがこちらの回です。こういった特徴的な役どころは、様々な役者さんの舞台をご覧になって見比べてみるとよりおもしろいと思います。ぜひお試しください。

www.suehiroya-suehiro.com

五代目岩井半四郎と絵入根本

江戸時代にこの演目を初演した五代目岩井半四郎と、七役早替わりのオフショットなどが描かれている当時の出版物、絵入根本をご紹介した回です。

これは私の個人的趣味でしかない内容であり、お読みにならずとも充分芝居を楽しめるのですが、もし江戸時代の芝居や浮世絵にご興味をお持ちの方がおいででしたらおもしろいと思いますのでご一読ください。五代目岩井半四郎のかわいさをぜひ多くの方にお届けしたいです!!

www.suehiroya-suehiro.com

土手のお六の浮世絵いろいろ

土手のお六は江戸時代の人気キャラクターであったようで、浮世絵の役者絵でもたくさん描かれています。その中のいくつかをご紹介したのがこちらです。

www.suehiroya-suehiro.com

「田螺の木の芽和え」って何

本筋とは関係ないのですが、鬼門の喜兵衛のセリフにある「田螺の木の芽和え」という料理が気になり、少し調べてみました。ご興味をお持ちでしたらぜひ。

www.suehiroya-suehiro.com

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

Copyright © 2013 SuehiroYoshikawa  All Rights Reserved.