本日、26日は歌舞伎座 四月大歌舞伎の千穐楽でしたね!おめでとうございます!
引窓に涙、団七に高揚、ニザ玉に陶酔
このすえひろは本日昼の部・夜の部ともに拝見してまいりまして、千穐楽のにぎわいを体感してまいりました。ここのところバタバタしており、千穐楽を歌舞伎座で過ごすのは今年初めてであります。
やはり千穐楽の歌舞伎座には独特の華やかさと名残惜しさがあり、とても良いものですね。その月どんなに感動的な芝居がかかっていたとしても、数日後は何事もなかったかのように新しい芝居の幕が開き、常に更新され続ける切なさがたまりません。
今月は定額制で夜の部だけでなく昼の部も何度か拝見したのですが、その感想をまだブログに残しておりませんでした。また追ってしたためたいと思います。
昼の部もとてもおもしろかったですね…義太夫狂言が好きなので、濃厚なドラマの世界にずっと沈み込んでいられる至福の時間でした。引窓も夏祭浪花鑑もどっぷりと陶酔して。間に七福神が挟まっているのもほっこりと気持ちが休まり、とてもよかったです。特にニコニコな鷹之資さんの布袋さまと、本物のご老人のような萬太郎さんの寿老人がたのしげにお酒を酌み交わしているところがかわいらしく印象に残っております。
いま昼の部を振り返り思い出されるのはやはり愛之助さんの団七のかっこよさです。目の前に浮世絵を見ているような、あるいは文楽のお人形を見ているような。尋常でない大坂の夏の暑さまでが蘇り、義太夫の音を聞いている時に夢想しているものがそのまま目の前に具現化されているのではないかと錯覚してしまうような体験でした。
近ごろは愛之助さんが古典の名作に多くご出演になっていてうれしいです。今後もコンスタントに歌舞伎座で拝見できますように。
そして夜の部はやはりニザ玉であります。今思い出しただけでも口角がゆるんでとろけそうになってしまいます。先日感想に長々としたためたばかりですので詳しくは割愛しますけれども、とにかく至高のひとときでありました。
2024年のいま、時が止まったかのようなお二人のお姿を拝見できるというのは本当に奇跡ですよね…。いや、「時が止まった」というのも違うかもしれません。むしろ、遥かな時を重ねてこその現在の素晴らしさなのだろうと思います。
その最新、至高の状態を体験することができたことは自分の一生の宝であり、気が早いですが20年先、30年先に語り継いでいかねばと思います。