今日はただいま上演中の八月納涼歌舞伎から、第三部「土蜘(つちぐも)」のお話を少しだけしたいと思います!
大まかなあらすじ
病に臥せって苦しんでいる源頼光の枕辺に、平井保昌がお見舞いに来ています。
そこへ、智籌(ちちゅう)と名乗る謎のお坊さんがやってきました。
頼光のためにお祈りをしてくれているのですが、なんだか様子が変です…
怪しい者め!と頼光が刀を抜くやいなや、
バァ―ッ!
と、なにやら糸のようなものを散らして逃げてゆきました…。
実はこの智籌は蜘蛛の精だったのです!
後を追って蜘蛛退治へと急ぐ保昌たちですが、果たしてどうなってしまうのでしょうか…
作品のなりたち
1881年6月 東京の新富座で初演。能の「土蜘蛛」が原曲です。
作詞は河竹黙阿弥、振り付けは初代花柳寿輔。
三代目菊五郎の三十三回忌のために五代目菊五郎が上演しました。
演目自体は江戸時代から親しまれてきたものでしたが、
現行の「新古演劇十種の内 土蜘」では能の原曲に近づけた厳かな演出が取り入れられています。
この新古演劇十種というものに関しては、後日ご説明いたしますね。
みどころ
この土蜘は、すえひろもとても好きな演目です。
蜘蛛の精になってからの盛り上がりももちろんなのですが、
智籌が本性を見破られた時に見せるゾワッとするような芝居が楽しみで、
今後の歌舞伎ファン人生の中でいろいろな方の智籌を見てゆきたいなぁと思っています。
今月の橋之助さんの智籌はまだ拝見できていないので、早くお芝居の日が来ないかなぁと心待ちにしております!