ただいま歌舞伎座で上演中の團菊祭五月大歌舞伎!
七世 尾上梅幸 二十三回忌
十七世 市村羽左衛門 十七回忌と銘打たれた公演で、
古典歌舞伎の名作が揃ったみごたえたっぷりのものです。
夜の部「伽羅先代萩」について、少しだけお話しております。
ほんのさわり程度になってしまいますがお手柔らかにお願いいたします(人'v`*)
その一
無言なのに強烈なキャラクター!
「伽羅先代萩」が伊達騒動をモチーフにした芝居であるというのはその一でお話したとおりです。
幼い亀千代の後見となった伊達宗勝の腹心、家老の原田甲斐宗輔をモデルとしている役柄が仁木弾正であります。
「にきだんじょう」ではなくて「にっきだんじょう」と読みますのでお気を付けください(人'v`*)
歌舞伎の仁木弾正は、横領を企むずるいおさむらいさんどころの騒ぎではありません。
なんと妖術を使ってネズミに化けるという、ファンタジックな悪者であります!Σ('0'o)
仁木弾正がこのお話に初めて登場する場面は、御殿・床下の場面の幕切れあたり。
巻物を口にくわえたただならぬ様子で、花道のすっぽんからじりじりじりとセリ上がってきます。
そして見得をし、ろうそくにぼんやりと照らされながら、怪しげな様子で引っ込んでゆく…という、終始無言の数分のみであります。
無言ながら、強烈なインパクトを残すこの場面!
演出効果も加わって、しびれるようなかっこよさがあります。
たったこれだけの場面でも座頭格の方がお勤めになるという大役です。
鼻高幸四郎
このお役の強烈なイメージは、五代目松本幸四郎という江戸後期の名優が作り上げたものだといわれています。
お顔の特徴であった高い鼻と、強いまなざしを存分に活かして、妖気がぷんぷんするような仁木弾正を作り出して大フィーバー!
この上ない当たり役となったのだそうですよ(人'v`*)
そんな五代目幸四郎のお顔にあったという眉の横のほくろを描いた「高麗屋型」という型が現在でも伝えられています。
五代目松本幸四郎は、「鼻高幸四郎」という呼び名でもよく知られています!
どれほど高いお鼻だったのか…
とお思いの方は、ぜひ浮世絵を検索なさってみてくださいね。
相当のものであります(*´艸`)