歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【最高】歌舞伎座の特別企画「定額制観劇サービス」を利用してみた

全国で荒れたお天気が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

このすえひろはといえば、ちょうど外に出たタイミングで雨に振られてしまい、てんやわんやでありました。太陽光が好きですので、秋晴れの毎日が待ち遠しいです。

秋といえば食欲の秋ですね。これまで芝居の食事は立ち食い蕎麦一択だったのですが、今さらながら東銀座の美味しいお店を探してみようかという気持ちになっています。素敵なお店に出会ったら、こちらのブログでもお話したいと思います。

 

それはそうと、松竹歌舞伎会会員限定の秋のスペシャル企画 歌舞伎座「定額制観劇サービス」はご利用になっているでしょうか。歌舞伎座が流行りのサブスクリプションサービスを導入したという衝撃。このすえひろも大変驚きまして、勢いよく9月分を申し込んでみました。

この企画はまた実施されるのかどうか全くわかりませんが、使用感などをご報告してみたいと思います。10月分は9月10日まで受け付け(定員になり次第終了)ということですので、ご検討なさっている方はどうぞお早めにお問い合わせください。すでに終了の場合は申し訳ございません。

24000円で2階席が見放題!

歌舞伎座「定額制観劇サービス」は松竹歌舞伎会会員限定、9月・10月限定の特別企画です。初日から千穐楽まで(休演日・貸切日除く)の2階席の空席(一等席・二等席どちらもOK!2階桟敷席も対象)が、すべての部で解放されるという最高の企画であります。もちろんいつ見ても、何度見ても定額です。

 

すごいのが24,000円(税込)という破格のお値段です。現在一等席が16000円、二等席が12,000円ですので、どうあれ2回見れば元が取れるというお得さ…!たった一日、一部と二部を見るだけでも元が取れてしまうのですから驚きです。

 

チケットの予約は電話のみで、一週間前から前日の17時までに専用ダイヤルに電話をかける必要がありました。そこでオペレーターの方に2階席の空席を案内していただき、好みの座席を選びます。

そして、サービス利用者の証「パスポート」と、身分証明書か松竹歌舞伎会カードを切符売り場に持参し、この日この後見る分の予約済みチケットをいただくというシステムです。予約済みで後日観劇のチケットも前もって渡されるということはありませんでした。

劇場の玄関でも再びパスポートと身分証明書か松竹歌舞伎会カードを提示、確認いただく必要がありました。切符売り場から玄関までは少しの距離ですが、どれも絶対なくしてはならない品ですので落とさぬよう緊張します。

 

切符売り場で直接申し込むことはできない、当日思い付きで見に行くことはできないという点が、幕見席とは違いますね。ネットでサッと取ることができない点、画面で座席をチェックしながら選べない点もやや難点でした。

 

パスポートなるものは申込後しばらくすると説明書とともに送られてきました。ラミネート加工されている紙で、昔の図書館カードのような手作り感のあるものです。あたたかみがあります。

さらに驚いたのは、後から「注文した日と座席を忘れないためのメモ用紙(圧巻の45回分)」を送ってくださったことです。あとから確認しやすいよう、ここに書きとめてくださいね…という優しさに震えました。

サブスクながら全体的にアナログ感満載、人とのやり取りも満載で、ご高齢の方でも安心感して利用することができると思います。

 

そんなお気遣いを受け、より強く思いました。もしこのブログをご覧になっている松竹および歌舞伎座の関係者の方がいらしたとしたら、ぜひ申し上げたい点が一つあるのです。

それは、パスポート送付の際に『座席表』も一緒にお送りいただきたいということです。

 

毎回オペレーターの方が案内してくださる空き座席の位置を、耳で聞いて理解し注文するとなると、どうしても齟齬が生まれてしまうのではないでしょうか。

私自身は歌舞伎美人で公開されているPDFをプリントして使用していますので大丈夫ですが、ご高齢などの理由でインターネットをお使いにならない方には、なかなか入手が難しいかと思います。座席表は筋書の末尾についていますが、失念されている方、そもそも筋書をお持ちでない方もいらっしゃるはずです。

 

電話口でひとつひとつの申し込みを受け、空き座席のご説明をなさっているオペレーターの方の労力を考えますと、お互いが座席表を見ながら会話をした方が簡潔で、時間も短縮されるのではないかと思います。後日感想としてどこかにお送りしようかと考えていますが、ぜひご検討願えますと幸いです。

 

ともあれ、素晴らしい企画で心の底から歓喜しております!!!今月は可能な限り馳せ参じ、吉右衛門さんのお姿に想いを馳せ、芝居をじっくりと味わいたいと思います。

提供者利用者の双方に手間がかかっている感は否めませんが、小回りの利く観劇スタイルが「幕見席の超豪華版」というような感覚で、とてもありがたいです。せっかくですので一度座ってみたかった席や、いつもと違う角度などにも挑戦してみようと思います!

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