歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい絵本太功記 その一 一日一段のレアな構成

ただいま歌舞伎座で上演中の猿若祭二月大歌舞伎

今日は夜の部の「絵本太功記」について、少しばかりお話したいと思います。

なんらかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)

一日一段

絵本太功記 (えほんたいこうき)」は1799年(寛政11年)大坂にて初演された人形浄瑠璃で、

翌年の1800年に大坂にて歌舞伎として上演された作品です。

 

当時人気のあった秀吉の一代記を、明智光秀の反逆をメインにして脚色した物語であります。

明智光秀が信長を謀った本能寺の変(6月2日)を中心とし、

その反逆を思い立つ6月1日から小栗栖で殺される6月13日までの13日間のお話を一日一段として構成してある、とても珍しい作品です。

このころの人形浄瑠璃は歌舞伎人気に押されて振るわなかったようですが、工夫を凝らしたこの絵本太功記は人気演目となり評判を呼んだということです。

 

すえひろは昨年文楽版を拝見したのですが、他の段のようすも見てみると吉右衛門さんのお芝居から抱いていた光秀のイメージとかなり異なり、歌舞伎ファンの先輩であるお姉さんとともに驚きましたΣ('0'o)

立派な光秀をイメージしていましたが、切腹しようとしたのに周りの人に止められてすごすごとやめてしまう、少し頼りなく感じられるような場面もあったのです。

やはり歌舞伎は役者が輝くようにさまざま演出され、役者のかっこいい場面が強調されているものなのかなぁ…とたいへん興味深かったです(n´v`n)

通称「太十(たいじゅう)」

今月上演されている「尼崎閑居の場」は絵本功記の段目ということで、ちぢめて「太十(たいじゅう)」と呼ばれています。

 

こんな風に呼ぶということは、昔の人の間ではお芝居のどのくだりが何段目かということが常識になっていたのでしょうね。

みなさまもぜひ「今月の太十はよかったねぇ」などと使ってみてくださいね(´▽`)

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