仮名手本忠臣蔵は、赤穂浪士事件を脚色したお話だというのは既にお話したとおりです(´▽`)
さむらいの社会で起こった大事件を知りたくてたまらない庶民のニーズに応え、そのドラマ性が人々の心を掴んで大評判となったわけですが
実は歌舞伎の忠臣蔵は仮名手本ばかりではありません。
ニュージャンルの誕生
赤穂浪士の復讐事件は当時の人々の関心を猛烈に集め、
歌舞伎や人形浄瑠璃でそれはそれはものすごい数のアレンジ作品が生まれたのだといいます。
一番早く上演された芝居はなんと刃傷事件と同じ月の初演だったそうですから、当時の娯楽業界の人々の仕事の速さに驚愕してしまいます(・0・;)
インターネットもパソコンも何もなかったことを思えば、現代の放送業界の方々に引けを取らない働きぶりですね・・・!
それらの作品群は、代表作となる仮名手本忠臣蔵の空前の大ヒットを受け、
その題名を使って「忠臣蔵物(ちゅうしんぐらもの)」という新たなジャンルとなりました(人'v`*)
忠臣蔵の二大巨頭
そんな忠臣蔵物のひとつに数えられるのが今月の吉例顔見世大歌舞伎・夜の部で上演されている「御浜御殿」
これは「元禄忠臣蔵」という全10部に渡る作品のうちの一つの場面です(o´v`)ノ
「元禄忠臣蔵」は、近代の名作劇をたくさん残した真山青果の作品。
昭和9年(1934)に東京の歌舞伎座で、「大石最後の一日」の場面が初演されました。
この元禄忠臣蔵は近代の忠臣蔵劇化作品の名作で、映画化もされています!
江戸の「仮名手本忠臣蔵」
近代の「元禄忠臣蔵」
というように、忠臣蔵物の二大巨峰として愛され、大切にされているのです(人'v`*)
元禄忠臣蔵の特徴は、
フィクションや裏話を盛り込むこれまでの劇的な忠臣蔵物とは異なり
事件に忠実で、歴史的・社会的な背景も含めリアリティ溢れる作品であるということです。
すえひろ個人としてはドラマチックな仮名手本が好きなのですが、
膨大なセリフをじっくり聞きながら、その言葉ひとつひとつが胸にぐーっと迫ってくるのを味わうような元禄忠臣蔵もたまらず・・・
二つの作品、どちらも魅力的ですよね・・・!
出会えてよかったと心から思います。゚゚(´□`。)°゚。
恐るべし忠臣蔵
現代でも浅野内匠頭と吉良上野介、そして大石内蔵助という名前は、誰もが一度は耳にしたことがあるはずですし、様々なアレンジを加えてドラマ化・映画化がなされています。
忠臣蔵というお話のテーマそのものが、江戸の昔から日本人の心に響く普遍的なものなのでしょうね(n´v`n)
いろいろな忠臣蔵物をご覧になってみてくださいね!