ただいま大阪松竹座で上演中の二月花形歌舞伎!
午前の部の「三人形」では、梅枝さん・種之助さん・新悟さんの共演で花形らしい華やかな舞台となっているはずです(n´v`n)
少しばかりではありますが「三人形」についてお話いたしますので、今回初めてご覧になった方もお楽しみいただけたらうれしく思います。
華やかな吉原の一風景
まず「さんにんぎょう」と読みたいところですけれども、「みつにんぎょう」と読みますのでご注意ください(人'v`*)
常磐津というジャンルの音楽で、舞台装置は「吉原仲之町定式道具」という遠近の構図で吉原の町を表現した表した華やかなものです。
※イメージ
舞台は桜が満開の吉原仲之町です。
若衆と奴さん、美しい傾城の人形が三体、魂を持って動き出すというファンタジックな世界であります。
若衆とお供の奴さんが廓へと通う愉快なようすや、傾城による華やかな花魁道中、間夫を待つ切ない女心などを古風に見せてゆきます。
発想のモチーフとなっているのは土佐絵の世界。
「傾城反魂香」の主人公・浮世又平のモデルとなった岩佐又兵衛の、元禄時代ならではの色鮮やかな画風をイメージして作られました。
上演当時この踊りの三つの役を勤めた三代目 三津五郎・初代 中村芝翫・五代目 岩井半四郎という大スター三人は、いずれもおおらかで古風な元禄趣味を体現していた役者だといいます。
※傾城反魂香についてはこちらでお話しております。
この踊りが初演されたのは文政元年(1818)の江戸中村座。
町人文化が開花していった文化・文政期にあえて古風な元禄趣味を舞台の上に投影することで、昔の風俗を懐古する思いがあったようですね。
いつの時代も「昔のものっていいよね」というブームがあったのだなぁと、大変興味深く思います(´▽`)
平成の世の中で、御三方がどのような元禄の風景を見せてくださるのかとても楽しみですね!