ただいま歌舞伎座で上演中の三月大歌舞伎!
夜の部「助六由縁江戸桜」について少しばかりお話しております。
なにかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
今日は主人公・花川戸の助六の恋人である
揚巻(あげまき)という役柄についてお話いたします。
とてもざっくりとした内容はこちらに紹介しておりますのでご一読ください…
最高級の遊女
揚巻は三浦屋の松の位の太夫。
美貌と気品と知性を兼ね備えたトップクラスの傾城であります!
歌舞伎に出てくるたくさんの傾城の中でも、江戸の歌舞伎を代表するもの。
吉原の張りと意気地を見せる女形最高峰の役柄として知られています。
揚巻という名前は、万屋助六と心中した島原の遊女・総角(あげまき)から取ったもの。
歌舞伎座地下では揚げ餅をくるくる巻いたソフトクリームに載せた「揚巻ソフトクリーム」という楽しげなものが売られているそうですので、ぜひご賞味ください(*´艸`)
袖の梅
花魁道中を再現した揚巻の出端は大変豪華です!
傘持ちや新造・禿などを従えて花道から堂々と登場、ハッとするほど美しい光景であります。
ここでの揚巻は少しお酒に酔っているという設定で、七三で立ち止まってお薬を一服飲みます。
これは「袖の梅」という酔い覚めのお薬。吉原の名物であったそうです(人'v`*)
衣装も豪華絢爛
揚巻は江戸歌舞伎を代表する傾城とあって、衣装も見たことがないくらいに豪華絢爛!
なんと背中に巨大な伊勢海老がくっついているという尋常ならざる飾りぶりです(*´艸`)
すえひろはこの伊勢海老を初めて見たとき「これは一体…!」と思い、思わず笑ってしまったのですが、
いろいろと知るごとに大きな意味のあるものだということがわかりました。
揚巻は最初の出、二度目、三度目と衣装を変えてゆきます。
これは、それぞれ五節句にちなんでデザインされているものなのだそう!
最初の出で着ている打掛は正月飾りをイメージしているということですから、伊勢海老がついていることにも納得がいきますね。
打掛をよくよく見れば確かに羽子板や門松が刺繍されていたり注連縄がつけられていて、お正月感満載です。
そしてその打掛を脱ぐと今度は桃の節句をあらわす幔幕の火焔太鼓が。
前を向くと端午の節句をあらわす、鯉の滝登りが刺繍された俎板帯が見えます。
助六のお母さん・満江を伴う二度目の出では、七夕の短冊がびっしりとついた俎板帯が。
そして今月は上演されない「水入り」の場面では、重陽の節句にちなんだ菊の花の衣裳を着るのだそうです!
四季折々のデザインがたいへん美しい衣装です(n´v`n)
かつらにもびっっっしりと18本のかんざし・3本の櫛が飾られ、衣装もずっっっしりと重そうな揚巻。
女形の役者さんというのは美しく繊細な姿とは裏腹、猛烈な体力を必要とするお仕事なのですね…!