ただいま上演中の四月大歌舞伎!
夜の部「桂川連理柵」について、少しばかりお話したいと思います。
なんらかのお役に立てればうれしいです(人'v`*)
桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)は、もともと人形浄瑠璃の作品。
歌舞伎では帯屋の場面の上演が多いことから「帯屋」と通称されています。
上方の世話物の名作として知られていますが、わかりにくいかもしれません。
いろいろと端折ってしまいますが内容としては、
京の呉服屋・帯屋を愛妻のお絹さんと切り盛りしている長右衛門(アラフォーです)が、
ひょんなことから隣家の信濃屋のお半という娘さん(なんと、14歳です!)と関係をもってしまい、
その間違いによってお半ちゃんは妊娠してしまい(14歳です)
お絹さんに助けてもらうものの色々あり
あえなく長右衛門とお半ちゃんは心中してしまう…という大変なお話であります(・・;)
二人の年齢設定から、現代ドラマとして放送してしまったら大大大問題となりかねませんね。。
桂川で中年男性と娘の遺体が引き上げられた実際の事件から
いろいろと脚色されて生まれた物語だとも言われています。
実際の二人に何があったのかはわかりませんが、お芝居はお芝居であります。
上方の世話物としてその柔らかな風情を今に伝える大変美しいものですから、
この演目が上演禁止になってしまうような世の中にはどうかならないでほしいなぁと願うばかりです。
すえひろも先日初めて拝見し、大好きな演目となりました。
壱太郎さんのお半の可愛さはもちろんのこと、
藤十郎さんの芝居というのは本当にすごいものなんだと改めて感じられました。
グレーゾーンの奥行きに飲み込まれてしまいそうで…
藤十郎さんの全身から沁みだしている長右衛門のどうしようもなさがなんともいえず色っぽいのです。
お絹の真心、お半の可愛さ、そして長右衛門の情けなさと愛…善悪などではとてもはかることのできない底知れぬ魅力がありました。
藤十郎さんの円熟の芸を味わい、数十年先の未来へもってゆけることにこの上ない喜びを感じます。
上方和事は江戸の人にはあまり人気がないともいわれるのですが、なぜだか私は上方の風情に強く惹かれてしまいます。
上方に芝居好きのご先祖様がいらしたのかなぁ…などと、思いを馳せております(n´v`n)