毎週木曜日深夜2:28よりTBS他にて放送されている
アニメ「カブキブ!」
カブキブ!によって歌舞伎に興味を持たれる方が爆発的に増えることを願いまして、
アニメファンの方々に向け各話の内容から歌舞伎の演目などをごくごく簡単にご紹介してゆきたいと思います。
どうぞお手柔らかにお願いいたします(人'v`*)
なお、このブログは諸事情により実際のアニメの画像などを載せられませんので、適宜検索などしていただければ幸いです!
十一幕目「誰白浪の五人連」
配役も決まって衣装も完成、順調かと思われた新入生歓迎会の準備でしたが、なんと本番直前に白浪五人男の一人である梨里先輩が高熱に倒れてしまいました。
このままでは白浪四人男になってしまいます…新入生歓迎会はどうなってしまうのでしょうか!?
…といった筋立てでありました(人'v`*)
白浪五人男とは
新入生歓迎会で上演されることになった白浪五人男!
江戸歌舞伎の代表的作品として大変人気のある演目ですヽ(。>▽<。)ノ
正式な題名は青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)
こち祭で上演された「三人吉三」と同じ河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の作品です。
今回の新入生歓迎会で披露されるのは「稲瀬川勢揃いの場」
五人組の盗賊・白浪五人男が番傘を片手に、花道にずらりと並んで名乗りをするという非常に華やかな名場面です。
どろぼうだというのに揃いのど派手な衣装に身を包んで現れ
堂々と名を名乗って一人一人かっこいいポーズを決めるのですが
現代のドラマの感覚では、
間近に捕手が迫ってますよ…!
そんな目立つ格好でゆっくり大声を出してないで早く逃げないと…!
と思ってしまう状況であります。
しかしながら、そんな物語の整合性などはどうでもよくなってしまうほどかっこいいもので、理屈抜きにワクワクしてしまうのです。
この五人組のスタイリッシュな様式は、一説によれば戦隊ヒーローの様式にまで受け継がれていると言われています!
日本人の美意識に訴えかけるものがあるのでしょうね(n´v`n)
今回も小ネタ満載
蛯原と黒悟が雪の降る歌舞伎座の前で語り合っていた場面では、歌舞伎の小ネタがたくさん散りばめられていました(´▽`)
まず、黒悟のこちらのセリフ…
「山科閑居(やましなかんきょ)に白銀屋さん出てるもんな」
山科閑居というのは、三大狂言の一つ仮名手本忠臣蔵の九段目にあたる部分で、雪の降る山科を舞台とした重厚な場面です。
詳しい内容に関してはここでは割愛しますが、自分の命を捨ててでも娘の幸せを望むお父さんの姿が描かれる悲愴なお話であります。
また、蛯原の舞台映像をたくさん見たという黒悟のセリフ
「お前がまだこんな(小さい)頃の安徳天皇まで見ちゃったよ」
こちらもまた三大狂言のひとつ義経千本桜の渡海屋・大物浦の場、碇知盛(いかりとももり)と通称される場面です。
安徳天皇は子役の方や歌舞伎界のお子さんがお勤めになる、この場面において大変重要な役柄であります。
詳しい内容は割愛いたしますが、壇ノ浦の戦いで平家の武将たちと同じく絶命したとされている安徳天皇が「実は生きていた」ということがドラマの要となっています。
歌舞伎界の御曹司が歌舞伎座の前に立って眺めているようなことはなかなかないとは思いますがそんなことはさておいて、
この場面で描かれていた二人の思いにも東銀座の街並みのリアルさにも感動してしまいました(n´v`n)
さて次回は「問われて名乗るもおこがましいが」
なんとカブキブ!は来週で大詰(最終回)とのこと!
これは大ショックです…猛烈な寂しさに襲われておりますが、最後まで見届けたいと思います。゚゚(´□`。)°゚。