先日歌舞伎座へ出かけ、
歌舞伎座百三十年
松本幸四郎改め 二代目 松本白鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎
松本金太郎改め 八代目 市川染五郎 襲名披露
二月大歌舞伎
夜の部を見てまいりました!
今月は草間彌生さんの祝い幕。
真っ黒の背景に、強烈な色彩が映えてものすごくエネルギッシュな祝い幕であります!
「愛を持って人生を語ろう」というテーマのもとで描かれた絵画シリーズ
『わが永遠の魂』から選ばれた、2017年制作の3点を並べたものだそうです。
近くで見るとと吸い込まれてしまいそうにパワーあふれる絵で、圧倒されました!
今月これから歌舞伎座においでの方は、幕間にぜひ幕の近くでご覧いただきたいなと思います。
夜の部は「熊谷陣屋」で幕開け。
新幸四郎さんの襲名披露狂言であり、配役も非情に豪華でした(n´v`n)
この数か月はドキュメンタリーでお父様としての姿をたくさん拝見していたために
幕切れの花道での悲痛がリアリティを持って胸に迫ってきて
ぐっと太くなられたお声に胸を打たれてしまいました。
今月の口上「木挽町芝居前」では人間国宝もずらりと勢ぞろい、
熊谷陣屋の悲しみをぱっと晴れやかにするにぎにぎしい一幕です。
両花道にもびっしりと華やかな方々が並び、
どこをどのように見ればいいのか混乱、
オペラグラスをつけたり外したり…つけたり外したり…
非常に忙しい一幕でした(´▽`)
そしてここ数か月最大の楽しみであった「仮名手本忠臣蔵 七段目」!
もちろん最初に見たのは奇数日の仁左衛門さん&玉三郎さんの兄妹であります。
忠臣蔵では七段目派の私はわんわんと泣き、大いに笑い、心の底から興奮しました…!
数か月のニザ不足が一気に解消され脳がスパークしてしまいました。
そして今回はたまたま下手側の花横の席が残っていたため
後先を考えずに衝動的に取ってしまったのですが、
なぜこの場所のチケットがすんなりと取れたのかが座ってみてわかりました。
七段目で印象的に使われる、一力茶屋の柵。
花道に置かれるこの柵越しに舞台を見なければならない
という困難があるお席だったのです(・_・;)
どこかのタイミングで黒子の方がしまってくださるのでは…と期待しましたが、
それは甘い読みでありました。
しかし個人的には祇園一力茶屋で起こっている事件を今まさに覗き見ているようで、
オペラグラスで覗いている視界がなんだかとてもオツであり、
非常に、猛烈に、尋常でなく興奮しました…!
ちょうど
「由良之助の本心が気になり一力茶屋の生垣に身を隠している塩冶家の家臣…」
という設定で芝居を見るような感覚です!これは興奮します!!
柵ごしに見なければならないとはいえ、この柵を使った演出も沢山ある七段目。
由良之助と力弥の密談も、お軽と平右衛門のやりとりも間近で見ることができるため
覗き見と至近距離のコントラストに鳥肌を立てつつ楽しむという
非常に思い出深いものとなりました!
マニアックな楽しみ方としてはものすごくおすすめなのですが、
初めて七段目をご覧になる場合は何が何やらという状況になってしまうかもしれません。
そうした場合にはお芝居の内容をしっかりと把握されてから臨まれるとよいかと思います。
どうぞお気を付けなされてくださいませ(人'v`*)