ただいま歌舞伎座で上演されている
歌舞伎座百三十年
松本幸四郎改め 二代目 松本白鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎
松本金太郎改め 八代目 市川染五郎 襲名披露
二月大歌舞伎
新白鸚さんと新染五郎さんの襲名披露狂言
「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」について、
少しばかりお話したいと思います(人'v`*)
前髪の美少年・大星力弥
今月は新染五郎さんがお勤めになっている大星力弥という役…
祇園一力茶屋で遊興にふけっている(とみせかけている)
父・大星由良之助のもとへこっそり密書を届けにやって来る魅惑の美少年であります。
九段目ではかわいい許嫁まで登場し、なかなか隅に置けない男の子です。
歌舞伎で「前髪」といえばこの力弥を筆頭とする美少年の役が思い浮かびますが、
江戸時代当時は元服前の前髪のある少年というのは独特の色気を醸し出していたのだそうですね。
今となってはよくわからない共感しがたい感覚で、たいへんおもしろいなぁと思います。
この大星力弥のモデルはもちろん
史実に基づいた大石内蔵助の長男・大石主税(ちから)。
彼は最年少で討入に加わって吉良邸討入の際は裏門攻め入りの隊長を立派に勤めあげ、
わずか16歳で切腹によりこの世を去っています。
余談ですが、
2017年赤ちゃん名づけ男女年間トレンドベスト30で
「主税(ちから)」が10位にランクインしているという事実をご存知でしたでしょうか?
10位「主税」はなんと読む? 2017年赤ちゃんの名付けトレンド、ベスト30発表 男女1位は「颯」と「紬」 - ねとらぼ
とても意外なことに驚きましたが、
キラキラネームにはもはや出尽くした感もあり、
古典的な名前のかっこよさが見直されているのかもしれませんね!
主税良金は若くして命を落としてはいますが、
この若さで立派にさむらいとして本懐を遂げました。
さむらいの生き様を感じるかっこいい名前です(n´v`n)
歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」のお話に戻りますが、
四段目・七段目においては花形の役者さんや
線の細い若い女形の役者さんがお勤めになることの多い力弥の役。
これが九段目になると一転、大ベテランの方がお勤めになることが多いです。
60代、70代の大ベテランの方であっても、
見事に線の細い美少年に見えてしまうのがおもしろいところだと思います。
これもまた上演の機会がありましたら、ぜひご覧になってみてくださいね♪
参考:歌舞伎登場人物事典/日本人名大辞典+Plus