大阪・道頓堀は大阪松竹座にて上演中されていた
松本幸四郎改め 二代目 松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目 松本幸四郎 襲名披露
七月大歌舞伎
関西歌舞伎を愛する会 第二十七回
本日は千穐楽でありました!
\おめでとうヽ(。>▽<。)ノございます!/
今月はこのすえひろも大坂へと旅しまして
夜の部・昼の部の順に拝見してまいりました。
夜の部で思い出深いのは、新幸四郎さんが与兵衛をお勤めになり
仁左衛門さんが監修された「女殺油地獄」であります。
仁左衛門さんが芸談でおっしゃっている
与兵衛は、お客様の反感を買ったり、憎まれたりする人物ではいけない。
「突っ込み」と「引き」が大切。
という言葉を何度も何度も反芻しながら、
幸四郎さんの与兵衛に引きこまれていきました。
本当にどうしようもない人なのですが、根っからの悪人とは思えず、
心の中にうっすらと怯えが見えるそんな与兵衛でした。
そしてなんといっても忘れられないのは昼の部「勧進帳」
仁左衛門さんの富樫を見るためにこの夏を乗り越えてきました!!
頭と心がどうにかなりそうなほど感動したのですが
素晴らしかった、すごかった、尋常でなかった、などしか言葉が出てこず、
この感動をどう伝えればいいのかまったくわかりません…
仁左衛門さん富樫を表現するだけの文章力がないのが悔しいです。
立ち姿、首の角度ひとつ、表情のシワの動きひとつで
その心の動きまでがクローズアップでありありと見えるような、
まるで長唄の詞章とせりふだけで構成した一本の映画を見ているような…
勧進帳を見ていてこんな気持ちになったのは初めてです…
また、もう一つ大きな感動がありました。
仁左衛門さん富樫に対峙する幸四郎さんの弁慶を見ていたときのこと。
舞台の調和やスケールを味わいつつ、昨夜の与兵衛を思い出してふと
あぁ…この方こそが、私がこの先楽しんでいく「歌舞伎」の軸を担う方なんだ。
未来を楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。
と思ったのです。
一月の吉右衛門さん富樫の時には私も別の思いで胸いっぱいになっていたのか、
こんな気持ちになるのは初めてでした。
そうしましたら、なんだか心がじわーっと満たされ涙が溢れてきました。
仁左衛門さんが昨日の口上にて「富樫の演じ納め」とおっしゃったとの情報を
昨日たまたまTwitterで拝見し、自分が感じたことに納得がいったような思いです。
今は仁左衛門さんの富樫を拝見できた大いなるよろこび、
もっと拝見したかったという後悔、もしかしたらもう一度…という淡い期待、
悲しみ…あせり…さまざまな切ない感情がどっと押し寄せています。
一つ一つの演目がたからものです。
何十年も先の未来で思い出を噛みしめられると思うとあまりに幸せで泣けてきます。
そのためにも、公演のひとつひとつをしっかり味わいたいと思います。