ただいま歌舞伎座で上演中の
吉例顔見世大歌舞伎!
夜の部「楼門五三桐」は、数ある演目の中でも大変有名ゆえ
この機会に少しばかりお話いたします。
芝居見物のたのしみのお役に立てればうれしく思います!
絶景かな、絶景かな…
楼門五三桐(さんもんごさんのきり)は、
安永7年(1778年)に大坂は角の芝居小川吉太郎座にて初演された演目。
『帝国図書館和漢図書書名目録』第4編の書名: 芳年国周画帖:国立国会図書館デジタルコレクション
戦国時代に名をはせた伝説のおおどろぼう石川五右衛門が主人公です。
今月上演されている場面はたった15分で終わってしまいますが、
それでも充分に心が満たされます。
おそらく歌舞伎を初めてご覧になった方も、ああー歌舞伎を見たな!と
満ち足りた気持ちになることができるはずと思います。
なぜなら、この15分間に歌舞伎屈指の名セリフが含まれているからです。
それは「絶景かな、絶景かな」というもの。
このセリフはいろいろな場面に応用できるためか
歌舞伎をご覧になったことのない方にも大変有名です。
せっかくですからこの機会に、この後に続くセリフをここに載せておきます。
ぜひ覚えてみてくださいね。
絶景かな 絶景かな
春の眺めは価千金とは 小せえ小せえ
この五右衛門が眼から見れば 価万両 万々両
日もはや西に傾きて 雲と棚引く桜花 あかね輝くこの風情
ハテ うららかな眺めじゃなァ
※言い回しが変わることがあります
ふと思い出し調べてみますと、こんなCMが…
2013年の富士急ハイランドのCM「絶景かな、絶叫かな」というものです。
なんとも愉快ですね(´▽`)
遊園地のCMに採用されるほどの名ゼリフ、知名度のほどがうかがえます。
参考文献:新版歌舞伎事典