ただいま歌舞伎座で上演中の
六月大歌舞伎!
夜の部では三谷幸喜さんの新作歌舞伎が上演されていますが、
昼の部にもまた古典の名演目が揃っております。
昼の部「女車引」は、男の人3人が登場する「車引」という演目を
華やかな女の人3人に替えてみましたよという趣向の舞踊なのですが
そもそも車引とはなんなのか?ということがわかるとなお楽しめるのではと思います。
The Metropolitan Museum of Art
幸い過去にお話したものがいくつかありますので、
女車引に関わりそうなものを一つまとめてみます。
芝居見物のお役に立てればうれしく思います。
そもそもの大前提…
女車引に登場する3人の女性千代・八重・春は、
「菅原伝授手習鑑」という名作に登場する人物であります。
彼女たちは松王丸・桜丸・梅王丸という三つ子の男性のお嫁さん同士。
千代…松王丸、八重…桜丸、春…梅王丸と、
それぞれのイメージに合ったネーミングがなされています。
そもそもこの三つ子は何者なるや…といったことをこちらの回でお話いたしました。
この三つ子の女房3人が、実際にある菅原伝授手習鑑の一場面
「車引」の世界観のなかで踊る…というのがポイントです。
「車引」はどんな場面?
では「車引」とはどういった場面なのかというのはこちらの回でお話しております。
現代の感覚で捉えますと一体なにがなにやらと戸惑ってしまうような
カオスな内容なのですが、そういった理屈を抜きに圧倒されてしまうのが
歌舞伎のおもしろいところではないかなあと思っております。
女車引ではこの通りに踊るわけではありませんが、
念頭に置いておくと楽しめる部分もあるかもしれません。
来月は国立劇場で!
来月、東京は永田町・半蔵門の国立劇場にて催される歌舞伎鑑賞教室で、
なんとタイミングよく「車引」の上演があります。
車引的なものを今月初めてご覧になった方は見比べてみますと
なるほどこれが元ネタなるか、とより一層のおもしろさを味わえるかもしれません。