本日25日は東京・歌舞伎座で上演されていた
吉例顔見世大歌舞伎が千穐楽を迎えました!おめでとうございます!
こちらの写真は、実は今月の写真ではございません。
今月は江戸時代の芝居界のお正月である「顔見世」興行であるために、
江戸時代の江戸三座に習い、破風の上に歌舞伎座の座紋・鳳凰丸と
「木挽町きやうげんづくし」と入った立派な櫓が立っていたのであります。
であれば、その写真を撮ってくるべきでしたが、うっかり失念しておりました…すみません。。
気が早いですが、来年の11月にはぜひチェックなさってみてくださいね!
江戸時代における顔見世というのは、芝居小屋が役者たちと一年間の契約を結び
「今年一年この役者を揃えましたよ」というお披露目興行のようなものでもあったわけです。
今ではこうした意味合いはなくなり顔見世という言葉だけが残っている状況ですが、
いよいよ冬がやってくるなという季節感を感じさせてくれる存在であります。
そんな、今月の興行において個人的に非常に興味深かったのは
「髪結新三」「研辰の討たれ」「市松小僧の女」で、近代の作品の三者三様の味わいを堪能できたことでしょうか。
明治・大正・昭和と、時代ごとの観客は芝居に何を求め、それはどう変遷してきたのか、
そのなかで今も変わらぬものは何か…などということを、
現代の役者さんたちの肉体を通しておぼろげながら汲み取ることができるのは、
自分にとってはこの上ない喜び、楽しみであります。
映画などを通じてダイレクトに当時の世界を見るよりも遠回りかもしれませんが、
それがかえっておもしろく、興味は尽きません。
昨今は新作歌舞伎が続々と作られていますが、そのうちの一つでも、
繰り返し上演され「平成・令和の人々はこのように考えていたんだなあ…」と
後世の人々がしみじみと感ずることができるような、
時代の色と普遍性を兼ね備えた作品が生まれればいいなあ…と願っております。
本当に早いもので、来月はいよいよ新元号令和を迎えました2019年最後の公演ですね…!
芝居納めの日まで全身全霊で芝居を楽しんで参りたいと思います!