歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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歌舞伎座 九月大歌舞伎 第一部 お江戸みやげ・須磨の写絵を見てきました!2021年9月

今日は急に夏の暑さでしたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

近ごろはニュースがいろいろと慌ただしく混沌としていますね。世の中は一体どうなるのか先が読めませんが、少しでも良い状況になるようにと心から願っています。みなさまもどうぞお気をつけてお過ごしください。

このすえひろはといえば、おかげさまで健康に過ごしております。爪のピンクの所を伸ばしたいと思い、かれこれ2ヶ月以上保湿に取り組んでいるのですが思うように伸びてこず悶々としています。とにかく続ける事だけが取り柄ですので根気よく続けていきたいと思います。

さて、先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして九月大歌舞伎の第一部を拝見してまいりました!備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。

推しの尊さは永遠

第一部は「六世中村歌右衛門 二十年祭 七世中村芝翫  十年祭」と冠されての追善の上演です。演目には「お江戸みやげ」と「須磨の写絵」が選ばれ、ゆかりの方々がそろい踏みの華やかな舞台でした!

残念ながら歌右衛門さんは間に合いませんでしたが、七代目芝翫さんは拝見できとても好きでしたので、血縁のみなさまはやはりそれぞれに少しずつ面影があるのだなあと懐かしく思いました。

なかでも感激したのは長らく療養されている福助さんが「お江戸みやげ」でたくさんのセリフを話され、舞台上を立って歩かれたことです!お倒れになって以来、周囲の方々と日夜リハビリに取り組まれてきたことが想像され、尊敬の念を深めました。今後も舞台でご活躍になるお姿をぜひ拝見したいです。楽しみにしています。

 

そんな「お江戸みやげ」は芝翫さんのお辻に勘九郎さんのおゆう、七之助さんの阪東栄紫に莟玉さんのお紺さん、常磐津文字辰は東蔵さんという配役でした。

お江戸みやげは個人的に大好きな演目です。江戸時代の小芝居のようすが想像できたり、何より推しという存在の素晴らしさを再認識できる点が好きです。お辻さんには共感しかありませんし、私も同じ状況に置かれたら財布を渡すのではないか、むしろそんな自分でありたいと思います。

 

芝翫さんのお辻の可愛らしさ、そしてその推しである七之助さんの栄紫さんも誠実さが見えてよかったです。俺は人気役者の良い男だからお金をもらっちゃったよというのではなくて、苦労を重ねながら着実に力をつけていったのだろうと想像される態度で感動しました。とても推し甲斐があると申しますか、お辻さんのお金は絶対に無駄ではない!!と確信したと申しますか、とにかく胸がカーッと熱くなりました。

勘九郎さんのおゆうさんのアシストも優しいですよね。これまで様々なジャンルの推しを前にしたとき、そばで助けてくれた友人たちのことを走馬灯のように思い出しました…。感謝しきりです。

こうして書いているうちに興奮してしまい、自分でも何を言っているかよくわかりませんが、とにかく申し上げたいのは推しの尊さは永遠ということです。推しのいるすべての方にご覧いただきたい舞台です。

 

続く「須磨の写絵」は梅玉さんの在原行平に魁春さんの松風、児太郎さんの村雨という配役でした。梅玉さんの貴公子ぶり、児太郎さんの色っぽさ、魁春さんの可憐さにうっとりしました。海辺で海女の姉妹と暮らし、二人ともから恋され、どちらにも思いを持たせたまま去るというずるい妄想のような状況が描かれていますが、梅玉さんの高貴さですべてが帳消しになっていました。ぜひ長いバージョンでも拝見したいです!

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