歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【来たる14日】歌舞伎座・ 二月大歌舞伎 チケット一般発売! 2023年

来たる14日(土)は2月の歌舞伎座公演

歌舞伎座新開場十周年
二月大歌舞伎のチケット一般発売日です!

歌舞伎座では今月の壽初春大歌舞伎から全席が販売対象となりました。幕間の客席でのお食事や、関係者の方による大向こうも再開しています。着実に以前の姿に戻りつつありますね!近ごろは感染状況が再び悪化しているようですが、なんとかコロナ以前のようなにぎわいが安定して続くことを祈っております。

二月は寒いためか例年出足が鈍る月ではありますが、見どころあふれる演目が並んでいますので見逃せません。チケットはお早目の確保をおすすめいたします!

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

一般発売日

1月14日(土)10:00~

【チケットWeb松竹】

会期・上演時間

2023年2月2日(木)~25日(土)

第一部 11:00~
第二部 14:30~
第三部 17:30~

休演日:10日(金)、20日(月)

チケット料金

一等席        16,000円
二等席   12,000円
3階A席     5,500円
3階B席      3,500円
1階桟敷席  17,000円

歌舞伎座の感染対策

歌舞伎座では長らく徹底した感染対策が取られてきましたが、近ごろ客席やロビーでのお食事が黙食にて解禁され、関係者の方による大向こうも復活しました!芝居見物の楽しみは元の状態にかなり近づいています。残すところは一幕見席の復活ですね。初めての方にもコアな方にも良いシステムでしたので、復活を願ってやみません。

ともあれ歌舞伎座の感染対策はこれまで非常に厳格に守られ、我々観客の健康をしっかりと守っていただいてきましたから、今後も提示のとおりに取り組んでまいりましょう。

おすすめのポイント

二月の歌舞伎座は引き続き開場十周年の記念公演です!どの部にも魅力的な演目が並んでいて、初めての方には大変おすすめな公演であります。配役はもちろんのこと、物語そのものの魅力があると感じます。

近ごろは役者さんに魅了されるだけでなく、ドラマ性にも満足感をお求めの方が増えているようにお見受けしています。そんな方にもぜひにとおすすめしたい公演です。各部の内容をごく簡単にご紹介いたします。

 

第一部は「三人吉三巴白浪」。幕末から明治期に活躍した名作者・河竹黙阿弥の代表的作品で、「こいつぁ春から縁起がいいわえ」という名セリフが大変有名です。

節分の夜に吉三郎の名を持つ三人の盗賊が出会い、それぞれの運命に翻弄されていく物語です。今回は女装の盗賊・お嬢吉三を七之助さんが、浪人くずれの盗賊・お坊吉三を愛之助さんが、所化くずれの盗賊・和尚吉三を松緑さんがお勤めになります。

一番有名な「大川端庚申塚の場」ワンシーンのみの上演が多いのですが、今回は序幕から大詰までの上演です。全ての場面ではありませんが、物語の全体像が味わえる貴重な機会です!

 

第二部は「女車引」は、菅原伝授手習鑑という名作演目の名シーン「車引」の女性バージョンの舞踊にした作品といったところです。ドラマの内容というよりも、シーンの美しさを味わいます。今回は魁春さん、雀右衛門さん、七之助さんという豪華な配役です!

新歌舞伎十八番の内 船弁慶」は、能の船弁慶を題材とした演目。都を追われた義経一行が大物浦へとたどり着くと、壇ノ浦にて滅ぼされた平知盛の亡霊が立ちはだかり…という荘厳なシーンを描きます。今回は五代目中村富十郎十三回忌の追善として上演され、知盛をお勤めになるのはご子息の鷹之資さんです。

源平合戦はあらゆる歌舞伎演目に登場し、滅びや流浪の美しさを描く素晴らしいドラマが展開します。見るたびに世界が深まり、長く愛される物語にはそれだけの魅力があるのだということをつくづく感じさせられます。

 

第三部は「通し狂言 霊験亀山鉾」は、大南北と呼ばれた四世鶴屋南北の仇討ち物。

亀山の仇討という実際の事件を基に、普通の敵討ではなく「返り討ち」を描いています。まさにサイコパスというところの藤田水右衛門という男が、非道の限りを尽くすというものです。

今回藤田水右衛門をお勤めになるのは仁左衛門さんです。仁左衛門さんの悪役はとにかくたまらないカッコよさがあり、最低であればあるほど輝いて見えます。歌舞伎ならではの現象かと思いますので、初めての方にもぜひにとおすすめいたします。

今回は仁左衛門さんが一世一代、つまり演じ納めをなさると発表されていますので、このすえひろも爆発しそうなほどの勢いで拝見しようと思っております…!!

 

どの部も大変おすすめなのですが、特におすすめしたいのは第二部「船弁慶」でしょうか…。

鷹之資さんが23歳のお若さで、お父様の十三回忌として歌舞伎座でこの大役をお勤めになるということ。想像を絶する重みのある舞台であろうと思います。

十三回忌ということで、富十郎さんのご存命当時の舞台をご覧になっていない方も増えていることと思います。鷹之資さんの舞踊には踊りの名手であった富十郎さんの面影を思い出さずにいられない素晴らしさがあり、このすえひろも心待ちにしております。

鷹之資さんは今後もたくさん「船弁慶」をお勤めになることと思いますが、今このタイミングでしか見られない味わいがあるはずです。初めての方や、鷹之資さんと同世代のお若い方々にもぜひにとおすすめいたします!!

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