歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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三月をふりかえり… 2023年

早いもので三月も今日でおわり…

今月も先月に引き続きばたばたしておりましたが、歌舞伎座や国立劇場で珍しい演目・場面をたくさん拝見でき楽しいひと月でした。

大きな話題を呼んでいるWBCもテレビで拝見いたしまして、大変盛り上がり、また感動いたしました。歌舞伎で野球といえばやはりスワローズファンの彦三郎さんを思い出しますね。国立劇場での手ぬぐいまきのような長距離スローインをまたいつの日か拝見したいものです。

国立劇場の桜

今月は、ちょうど良い頃合いに国立劇場へ出かけまして、あいにくの雨模様でしたが桜の花を見ることができました。国立劇場は身近な劇場ですけれども、ちょうどよく桜の時期に行くことができたのは初めてのことでしたので、最後の年の桜に間に合ったことをしあわせに思います。

曇天であるうえに写真もへたくそで申し訳ないのですが、本当に見事な桜でありました。せっかくの機会ですので少しご紹介いたします。

これは仙台屋というお店の庭にあったため、「仙台屋」とそのまま名付けられた桜だそうです。何やら歌舞伎の屋号のようですね。麗しい女形や、和事味の強い立役を想像します。

この名前を名付けたのは牧野富太郎博士とのことでした。来週からはじまるNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルですね。楽しみです。ソメイヨシノよりも色が強く、大変華やかでした。

 



こちらは「神代曙」という桜です。ワシントンへ贈られたソメイヨシノの種から生まれた桜だそうです。雨の日だったせいなのかわかりませんが、幹や枝がすごく黒いのが印象的でした。舞台の大道具や着物に描かれる桜の木のようですよね。かっこいいコントラストです。

イメージが広がって、「積恋雪関戸」の舞台に出てくる大きな黒い桜の木を連想し、傾城の墨染が出てきたらおもしろいなあと思いました。墨染という名前もこの黒い幹によく似合っています。

 

この他にもたくさんの桜の木があり、どれも見事でした。国立劇場が建て替えになるとこの桜の木はどうなってしまうのでしょうか。せっかくの木ですからどこかへ大切に移植され、建て替え後にはまた戻ってきてくれますようにと祈るばかりです。

 

来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今夜は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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