現在、日本芸術文化振興会・いわゆる国立劇場主催の公演 令和6年7月歌舞伎鑑賞教室のチケット一般発売が始まっています!
歌舞伎鑑賞教室とは、国立劇場が毎年夏に初心者の方に向けて開催していた解説プログラム付きの公演です。初めてでもわかりやすい演目、なおかつ通常公演よりもリーズナブルな価格設定となっています。今回は親子割引などもありますのでぜひご活用ください。
この7月は、前半日程では東京都江東区のティアラこうとう、後半日程では東京都調布市の調布グリーンホールにて上演されます。開場時間に会場間違いに気づいた場合、間に合わないくらいの距離感です。チケット取得の際は何卒お気をつけください!
今回の演目は「義経千本桜 河連法眼館の場」。兄・源頼朝に疎まれて都を追われた源義経は、愛妾の静御前に「初音の鼓」を託して逃避行の旅に出ました。その「初音の鼓」に大きなゆかりのある狐が巻き起こす、ファンタジックな名場面です。
男女はもちろん人と動物をも超えてしまう歌舞伎のおもしろさが詰まっていて、大変人気のある場面であります。初めての方はもちろんのこと、お子さまにも大変おすすめです!
公演の詳細
一般発売日
6月13日(木)10:00~
会期・上演時間
2024年7月5日(金)~2024年7月27日(土)
ティアラこうとう:7月5日~7月12日
調布市グリーンホール:7月18日~7月27日
11:00~13:00(予定)
14:30~16:30(予定)
社会人のための鑑賞教室(18時30分開演):5日(金)・18日(木)
親子で楽しむ鑑賞教室:21日(日)~27日(土)
チケット料金
1等席 6,000円
2等席 4,000円
学生料金
全席 1,800円
親子割引料金(親子で楽しむ鑑賞教室)
親 1等席 3,000円
2等席 2,500円
子(18歳以下)全席 1,500円
みどころ
7月の歌舞伎鑑賞教室の演目は「義経千本桜 河連法眼館の場」。三大狂言の一つとして300年近く愛されている名作中の名作「義経千本桜」の中でも特に有名なクライマックスシーンとして大変人気のあるものです。
「義経千本桜」というのは、壇ノ浦で源義経から滅ぼされたはずの平家の武将たちが実は生きていて、姿を変えてそこかしこに潜み、義経の命を狙っているという設定で描かれる物語です。源義経は平家の武将に恨まれ、兄の頼朝にも疎まれ、ついに都を追われて逃避行をしている…という悲劇の貴公子として描かれています。
今回上演される「河連法眼館の場」は、全五段ある義経千本桜の中の四段目にあたる場面で、物語のクライマックスといえる部分です。
義経千本桜の物語の序盤で、都を去らねばならなくなった義経は、家臣の佐藤忠信をお供に付けて、愛妾の静御前へ「初音の鼓」を託していました。静御前はその後、佐藤忠信と共に義経の行方を尋ねていましたが、吉野山の河面法眼の館に隠れているらしい…という情報を得て、ようやくその館までやってきたというところから場面がはじまります。
義経と静御前は再会したものの、どうも佐藤忠信の様子がおかしいよね?という話になります。実はこの佐藤忠信、正体が化け狐なのです。
というのも、「初音の鼓」の材料として夫婦の狐の皮が使われており、化け狐はこの夫婦の子供なのであります。狐は親が恋しい、親孝行がしたい、という一心で、佐藤忠信に化けて、静御前のお供をしていたのでした。
果たして化け狐の運命やいかに…というのが「河面法眼館の場」です。
主役が人間ですらない、とてもファンタジックな内容なのですが、もちろんCGや特殊メイクなどの技術は一切使用されません。役者さんの芸や音楽、大道具の仕掛けなどで見事に表現されているのがすごいところだと思います。
親子愛を感じさせる内容でもありますので、お子様とご覧になるにもぴったりなのではないかなと思います。ぜひ親子割引などをご活用くださいませ。
さておき、昨年10月に閉場し、未だ国立劇場の建て替えの目途が立たないというのは、さすがに怒りを覚える状況です。国には早急に対応いただきたいと切に願います。