歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。 歌舞伎歴10年の20代。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【上方文化を極めたい】大阪歴史博物館 編

上方の文化をもっと知ることができたなら、

文楽や義太夫狂言、上方の演目、ひいては歌舞伎そのものが

何倍もおもしろくなるはずだ…!!!!!

というひらめきのもと、一生かけて大坂を究めんとしています!

 

ダイナミックな展示が楽しい博物館

前回は大阪くらしの今昔館についてお話いたしました。

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実はその足で、大阪歴史博物館にも行ってまいりました。

大阪くらしの今昔館からは電車で10~15分程度、

歩きを含めても30分以内には到着できましたのではしごは充分可能です。

大坂城の近く、NHK大阪放送会館と隣接して建てられている立派な博物館であります。

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この後にも予定をつめてしまったためなかなかのハードスケジュールでした。

非常に広く展示の多い博物館で、ゆっくり見物できなかったことが悔やまれます。 

 

大阪くらしの今昔館と同様外国の方もたくさんおいでなのですが、

広いためかKIMONO体験がないためか、こちらは比較的静かで落ち着いています。

 

入館してすぐに、難波宮大極殿を原寸大で再現したダイナミックな空間が広がり、

突如やんごとなき人物になってしまったような気持ちになります…!

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こうした贅沢な展示方法は、大阪では主流なのでしょうか。素晴らしいと思いました。

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階下へ向かうと中世・近世の大坂にタイムスリップします。
水都・大坂らしく、頭上には大きな橋がいくつかかかっています。 

この中世・近世ゾーンの案内役としてところどころに文楽人形の映像が登場するのですが、

なんとその声をお勤めになっていたのが愛之助さんでした!!らぶりんです!

お顔こそ見えませんが、ファンの方は必見の映像ではないでしょうか。

 

先月は福岡の福岡市博物館で、

小松の親分さんこと小松政夫さんの映像が登場して驚いたばかりでしたので

地元のご出身の方がひそかに博物館でフューチャーされているという事例を

もうひとつ見ることができて大満足でした。

その土地の魅力を余すことなく伝えたいという強い思いを感じます!

 

こちらのジオラマは、道頓堀 角の芝居

天保9年(1838)1月の公演 「仮名手本忠臣蔵」通し狂言のようすです。

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この模型は原寸大ではありません、小さなジオラマ空間であります。

内部まで精巧に作られています。

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五段目を上演中のようです!

この小さな勘平さん、どうしても仁左衛門さんに脳内変換してしまいます。

 

私は初めて知ったのですが、大坂では1月の公演を「二の替わり興行」といって、

なんと顔見世よりも重視されていたのだそうです!

江戸の歌舞伎界においては11月の顔見世が一大事だったのだと思い込み、

地域性の違いを想像すらしていませんでした。反省しております。

 

道頓堀の芝居小屋には独特の風俗がいろいろとあったようです。

芝居小屋の前に、なにやら人形が置かれていますよね。

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これは「人形看板」といって、演目の内容を人形で表現していたのだそうであります!

手間もかかりお金もかかるはずですが、こうしたおもしろい工夫ができていたこと

本当に豊かな文化が花開いていたのだなと感動してしまいました。

 

 

ここまででも見どころしかない博物館ですが、

近代・現代フロアはさらに興奮必至の展示空間が広がっています!

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大正末期~昭和初期、賑わいを見せていたという心斎橋筋、道頓堀などの街角が、

原寸大で精巧にされています。原寸大に次ぐ原寸大、楽しすぎてどうにかなりそうです。

 

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ぎゃー!「カーネーション(NHK連続テレビ小説)」の世界!!と、

無言のままに血圧を爆発的に上げていました。

一人旅というのはこういう時につらいものですね。

 

住まいも再現されていました!なにやら練習中のようです。

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どうやら床本と思われます!文化レベルの高さがうかがえます。

 

一番奥までやってきますと、興奮せざるを得ない情景が広がっています!

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昭和15年(1940)5月 道頓堀角座前の実寸再現だそうです。

こちらも「カーネーション」で、糸ちゃんと勝さんがデートをした場所が思い出されます。

 

関西歌舞伎の名跡が並んでいる看板。

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非常に華やかで盛り上がりのすごさがよくわかります!

関西歌舞伎が衰退したとは、信じがたいほどのにぎわいです。

この前年には「大阪花月劇場」のちのなんば花月が千日前に開場していますので、

日本随一のエンターテインメントの都であったことがうかがえます。

 

何年も前、大坂松竹座にてふと耳にした地元の方の

「歌舞伎は難しいな。その点、新喜劇ってすごいな。

(世代を問わず)みんながおもろいもんな」

という一言に非常に感動したのですが、この場に来てまた思い出されました。

 

地域に根差している娯楽に対する価値観の中で、

「みんなが楽しむ」ということが最も尊ばれているんじゃないかなと

自分なりに解釈しています。

わかる人だけわかるものよりも、みんながおもしろい方がずっと良いというのは、

本当に平和的だなと思われ、また「楽しむ」ことへの非常に柔軟な姿勢も感じられ、

とても学ぶところが大きかったです。大きな影響を受けた一言でした。

これについては非常に個人的な解釈ですので、

単なる市井の女のつぶやきとしてお聞き流しいただければ幸いです。

 

 

このほかにも、おもしろい展示が盛りだくさんの大阪歴史博物館。

全体を通して非常にダイナミックな展示方法、なおかつ清潔に美しく維持されていて、

見学者をもてなし盛り上げたいという心意気のようなものを感じました。

地域の誇りとして大切に守られている博物館というのはとても素敵です。

今度はぜひともじっくりと見学したいと思います!

 

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