土蜘のお話をしたときに出てきた新古演劇十種という言葉。
今日は簡単ではありますが、この言葉について少しお話してみます。
ひとつ覚えていただけたらうれしく思います(´▽`)
それぞれの家に芸あり
まずは、市川團十郎家の家の芸
歌舞伎十八番についてお話した時の記事をご参考に一度お読み下さい。
歌舞伎のことば : 團十郎家の芸 「歌舞伎十八番」 前編 - 歌舞伎ちゃん 二段目
歌舞伎のことば : 團十郎家の芸 「歌舞伎十八番」 後編 - 歌舞伎ちゃん 二段目
この「家の芸」という概念は歌舞伎には欠かせない要素です。
とても簡単にご説明しますと、
ある時の名役者が自身の得意技である演目をいくつか選び、
その技を我が子や弟子へ、そしてまた次の代の子へ…と何代にも渡り大切に守ってきたお芝居のことです(n´v`n)
そんな数ある家の芸の中、
尾上菊五郎家の家の芸が
新古演劇十種です!
制定は明治時代
明治14年の三代目菊五郎の三十三回忌追善興行で「土蜘」を演じた際に、
家の芸を制定したい…という思いを抱いた五代目菊五郎。
その後、明治20年に土蜘を上演した際には既に
今月のチラシにも書かれているように
「新古演劇十種の内」という一節を加えていたそうです。
そして明治33年までに9曲を選び、五代目菊五郎は亡くなりました(/_;)
元号が変わり大正1年、六代目菊五郎が「身替座禅」を加えて
晴れて「新古演劇十種」が完成しましたヽ(。>▽<。)ノ
曲目
尾上松緑と三代目菊五郎からの得意芸がまとめられていますが、ほとんどが
妖怪変化を主人公とした舞踊劇です!
「土蜘」
「身替座禅」
「茨木」
「一つ家」
「羅漢」
「刑部姫(おさかべひめ)」
「古寺の猫」
「戻橋」
「菊慈童」
「羽衣」
すえひろにとっては見たことのない演目がほとんどです。
今後見られるのか不明ですが、最初の二つだけでも覚えていただければ近いうち役に立つかと思います(人'v`*)