ただいま歌舞伎座で上演中の…
中村橋之助改め八代目 中村芝翫 襲名披露
中村国生改め 四代目中村橋之助
中村宗生改め 三代目中村福之助 襲名披露
中村宜生改め 四代目中村歌之助
芸術祭十月大歌舞伎!
二か月にわたる襲名披露が、連日盛況でにぎにぎしくとり行われています!
歌舞伎の舞台に5年ぶりに復活した「芝翫」の名跡…
どんな背景を持つ名前なのか、少しばかりではありますがお話ししてゆきたいと思います(人'v`*)
中村歌右衛門家ゆかりの名前
そもそもこの「芝翫」の名前は由緒ある中村歌右衛門家に伝わってきたものです。
歌右衛門というと女形のイメージが強いのですが、初代歌右衛門から四代目芝翫までは立役の家系であったとのことですΣ('0'o)
明治に活躍した五代目歌右衛門の代から女形の家系となりました。
新芝翫は立役ですから、ルーツに立ち返るようなイメージでワクワクしてきますね(n´v`n)
初代歌右衛門の功績
全員をたどるのは難しいのですが、歌右衛門家の大元である初代については触れておきたいところです…
初代歌右衛門は正徳4年(1714)~寛政3年(1791)を生きた役者です。
このころの屋号はまだ現在の成駒屋ではなく、加賀屋でした。
十七歳のころに敵役を勤めていた中村源左衛門に入門して歌之助を名乗っています。
芝翫さんの御子息宜生さんが今月襲名なさった四代目歌之助のルーツはここにありましたね。
歌之助は敵役としてめきめきと成長、評判を呼んで京都で歌右衛門に名を改め、上方で大活躍したそうです。
実悪・敵役が特にすぐれていて、男性的でスケールの大きいキャラクターをたくさん作りだしたといいます。
単純な悪者を超え、豪胆でエネルギッシュでありながら知性を感じさせる活力に満ちた悪の魅力を持っていたのだそうです。
郡司正勝の本によれば悪役に美を見出すのは、歌舞伎からはじまった独自の美学だそうですから、そういった意味でも後世に残した功績が大変におおきい方ですね。
また、容姿に関する情報は
目が大きく鼻の高い立派な容貌で、芸容が大きく男の色気があり、悪を演じても品があった
とのこと…
この方と直接の血縁はないはずですが、なんとなく新芝翫さんの姿を思い浮かべてしまいますね(*´艸`)
「歌右衛門」と聞くとまず浮かんでくるのは女形であった六代目のイメージなので、こうした雄々しい役者がゴリゴリの敵役として歌右衛門の名で評判を呼んでいたという事実が、とても面白く興味深く感じられます!
役者はそれぞれの時代によって、様々なアイコンとなり命を削って芝居の世界を作り出してきたのだなぁと思うと、いま目の前に見ている芝居が非常にいとおしいものに思えてきますね。
うっかりしていて長くなってしまいましたので、今日はこのあたりで…(人'v`*)