ただいま歌舞伎座で上演中の三月大歌舞伎!
夜の部「助六由縁江戸桜」のお話を少しばかりいたしますので、
何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
助六由縁江戸桜は約2時間に及ぶ長い演目ですけれども、
初めてご覧になった場合は何やらよくわからない事柄がたくさんあるかもしれません。
それは追ってお話するとして、ひとまずは流れだけをごくごく簡単にお伝えしたいと思います(´▽`)
詳細はどんどん飛ばしてしまいますのでお手柔らかにお願いいたします。
ざっくりとしたあらすじ
舞台は三月の吉原仲の町、三浦屋の門前です。
※イメージ
仲の町では花魁の行列が絶えず行き交っています。
三浦屋の遊女たちがずらりと現れて舞台に並ぶと…
それはもうひときわ華やかな花魁道中で、揚巻(あげまき)という大人気の花魁が現れました(n´v`n)
とにかく豪華な出で立ちで、格別の花魁のようです。
続いて現れるのは髭の意休(ひげのいきゅう)といういかにもお金持ちらしい出で立ちのご老人です。
意休さんは揚巻に入れ込んでいるのですが、助六という間夫のいる揚巻はつれない態度であります。
「モシ、意休さん。お前と助六さん、こう並べてみるときは、こっちは立派な男ぶり、こっちは意地の悪そうな、たとえていわば雪と墨…」
などと散々にののしって三浦屋の中へ入っていってしまったのでした。
そして河東節の浄瑠璃にのせ、満を持して助六の登場!
(ここまでになんと幕開けから40分程度の時が過ぎています…!)
粋な出で立ちに蛇の目の傘を持ち、かっこよくやってきました。
とにかくモッテモテ、モテを極めた助六さんは江戸っ子らしく喧嘩っぱやい男で、
意休にさんざん悪態をついてけしかけますが、意休はじっと堪えています。
どうやら助六の目的は刀を抜かせることのようであり、意休さんはそれをわかって堪えてあげているようなのです。
助六は意休の子分のくわんぺら門兵衛や朝顔仙平(あさがおせぺい)などにも喧嘩を売っては「刀を抜けー!抜かないかー!」とけしかけています。
とそのあたりでいろいろとあって立ち回りになり、
助六は白酒売りに身をやつしていたお兄さんの曽我十郎(そがのじゅうろう)と再会します。
助六は、実は曽我五郎(そがのごろう)というおさむらいさんだったのですΣ('0'o)
混乱しますのでここでは「助六」の呼び名で通したいと思います。
事情がいろいろとあり、この兄弟は親の敵討ちを控えております。
弟と対照的に穏やかなお兄さんは「もうすぐ敵討ちというのに家の重宝・友切丸も見つからないし、喧嘩ばかりしていていてはだめですよ」と諭します。
すると弟の助六は「だって…わざと侍に刀を抜かせて友切丸を探してるんだもん」と打ち明けます。
「おおそうだったのか、えらいぞ弟。それなら兄もがんばろう」と二人は喧嘩の稽古を始めました。
すると三浦屋の入り口に、揚巻に見送られた小柄なさむらいがやってくるではありませんか。
なんだよなんだよ揚巻、俺を待っていたんじゃないのかよとキレ気味の助六でしたが、さむらいと見えたのは実はお母さんの満江。
ヒャァ母上様と兄弟は縮み上がって怯えます。
さすがの助六も、お母さんはこわいんですね(´▽`)
お母さんは「お前は短気だから、この紙衣を着て喧嘩ができないようにするんですよ」と言って助六に紙衣の着物を渡し、十郎とともに返ってゆきます。
紙衣というのは紙でできているため、暴れたりするとビリッと破れてしまいます。
暴れん坊への戒めのプレゼントでありました。
喜んでさっそくそれを着てみる素直な助六ですが、お母さんお兄さんと一緒に帰らなかったのには理由があります。
意休さんが持っている刀がどうも気になっているのです…。
あれは友切丸なのではないか…と思うところへ意休さんがやってきました!
揚巻は慌てて、打掛の中に助六を隠してあげます。
意休さんは揚巻と並んで床几に腰かけ
「兄弟が力を合わせて支え合うことができなければ、仇を討つことなくこうやって倒れてしまうだろう」と
刀を抜いて香炉の台をスパンと切って見せると、三浦屋の中へ戻ってゆきました。
\あっ!!やっぱりあれは家の重宝・友切丸だー!!!/
と気づいた助六!
揚巻と相談して、意休の帰りを待ち受けることに決めたのでした。
…というところで、現在の上演形態の上では幕であります(人'v`*)
キリがなくなってしまうので色々な部分をものすごく端折ってしまいましたが、
他にもたくさんの面白い仕掛けがあり、楽しいキャラクターたちが登場します!
今月お話できる限りのことになってしまいますが、がんばってお伝えしてゆきますね(´▽`)