いったいどのようなものなのだろうか…と長らく疑問に思っていた「滝沢歌舞伎」なるものを先日初めて拝見してまいりましたので、歌舞伎オタク目線での滝沢歌舞伎体験談をお話しております(人'v`*)
私は根本的にジャニーズセンスのない人間ですので、失礼な発言などしてしまうかもしれませんがどうぞお手柔らかにお願いいたします…
前編はこちらです
いよいよ始まる滝沢歌舞伎
滝沢歌舞伎では舞台上での化粧の時間も名物となっているようでした!
滝沢秀明さんと三宅健さんが舞台の上で手慣れた手つきで顔をしてゆくなか、質問コーナーやフリートークが繰り広げられてゆきます。
12年目ということで化粧もすっかり板についておいでの滝沢さん。お二人ともとにかく良い殿御でありました(n´v`n)
まずは白波五人男
滝沢歌舞伎の定式幕は、ミントグリーンと青みがかったパープル、そして柿色という大変可愛らしいものです。
そんな幕の前に白浪五人男(4人でしたが)の出で立ちの美少年たちが勢揃いし、朗々とセリフを語ります。
私の見間違いかもしれませんが、美少年キャラである赤星十三郎の衣装の子がいなかったような… ジャニーズにおいてあえて赤星を外すとはメッセージ性があるのでしょうか!男らしさを表現しているのでしょうか?
そして楼門五三桐・車引
舞台の上には楼門の大道具、滝沢さん扮する五右衛門とジャニーズJr.の花四天による立ち回りです!
足が長く重心の高い花四天からはバック転的なアクロバティックな技が次々飛び出し驚き入りましたΣ('0'o)
続いて三宅さん扮する梅王丸と、なぜか4人くらいの小さな桜丸が登場。
車引をイメージした舞台のようでしたがこちらも非常に斬新な趣向です。
極めつけは道成寺
この古典歌舞伎を模したショーの最後を締めくくるのは道成寺風の舞踊でありました。
ここでは滝沢さんと三宅さんが女形で舞踊を披露します。後見もジャニーズJr.の方が粛々とお勤めでした。
やはり西洋風のくっきりとしたお顔立ちだなぁと思っているとなにやら舞台上が俄かに騒がしくなり、昨年の演舞場「阿弖流為」を彷彿とさせるヘビ的な生き物が出現!ジャニーズJr.の方々と大立ち回りを繰り広げます。
やがて二人の白拍子は人外のものとなり、ヘビのかたどられたおどろおどろしい鐘の上にて見得。
…というところで前半は幕となりました(人'v`*)
いまだかつて見たこともないような斬新な世界で、古典の作品にはこのような見せ方もあるんだなとカルチャーショックを受けました!
感動したのは、前半のショーからこの歌舞伎ショーにいたるまで滝沢さんと三宅さんを支えているのは、すべてジャニーズJr.の方々であるという点です。
20代らしき方々から中学校に上がったばかりのような方まで、神業の連携で滝沢さん三宅さんにワイヤーを付けたり外したり、大道具を動かしたりと舞台を進行していました。
大先輩にケガのないよう、舞台が滞りなく進むよう、お客さんが楽しめるよう、随所に気を配りながら、大スターになってゆくのか…と感激してしまいました。゚゚(´□`。)°゚。
二幕目はお芝居
幕間を経て二幕目は
「鼠小僧、夢小判 ~笑いあり、涙なし~」
こちらは滝沢さん扮する鼠小僧の人情話といった風情の愉快な時代劇でした。
(天井から降ってきました。歌舞伎の「舞」の字に「タッキ―」という文字が入っているのがお分かりいただけるでしょうか)
冒頭は鼠小僧の活躍を立ち回りと講談で見せる趣向。
ここでは本職の附け打ちの方が入っていたようで、さすがに歌舞伎らしい迫力がありました!
(やはりSEでなく生の附けの音が入ると違うなぁ、太鼓の生音もして黒御簾も人が入っているようだし、歌舞伎には音響効果が重要だなぁ…)
などと思っていますと、
太鼓の方は御簾内ではなく、淡い桃色のような着物を着て外に座っておいでではないですか。
お一人で様々な長さの撥を巧みに使い分け、太鼓二つと鐘を操り。。
附けの音と見事に合った立ち回りの伴奏だけでなく、歌舞伎のお約束である風音までも見事に表現しています!
えっ…まさかまさか……(・_・;)
と思いよく見ますと、ジャニーズJr.の方ではありませんか!!!
これには本当に驚き入りました…!!なんとなんとΣ(・□・;)
鳴り物はドラムスではありませんから、附けの方と息を合わせ芝居の間合いを見極めねばならず、非常に難しいことのはずです。
附け打ちの方のアシストはもちろんながら、筋の良い方なのだろうなと驚きました。
Snow Manというグループの宮舘涼太さんという方ですが、歌舞伎役者を彷彿とさせる白塗りの似合いそうなお顔立ちで、和装もお似合いの歌舞伎ファン好みな雰囲気であります。
黒御簾もできそうな歌舞伎風アイドル…大変貴重な存在ですね!
まとめ
驚きでいっぱいの滝沢歌舞伎でしたが、楽しい時間を過ごすことができました!
大変失礼なことながら、滝沢歌舞伎は歌舞伎ファンが見るための歌舞伎ではないのだろうなとずっと思っておりました。しかしそこには日本のショービジネスに関する新たな発見がたくさんありました。
日本人は良い意味での変態性でもって特殊な娯楽文化を様々生み出してきましたが、ジャニーズもそのなかの巨大な一文化であるわけです。
人々が熱中し狂乱する男性の芸能であることを思えば、歌舞伎の成り立ちと完全に切り離して考えるのは難しいことなのかもしれません。
もちろん古典芸能としての歌舞伎とは大きすぎる隔たりがあります。そこは全くの別物であるとしても、高い壁に挑んでゆく若い方々の姿が美しいのではないでしょうか。
どんなものも先入観を持ってはいけないんだなと深く反省した次第です(ノv`*)
どのようなジャンルであれ、人々を楽しませるためのお仕事に命がけで挑む方々の姿は無条件で美しいものです。そのお姿一目見たさに私達ファンは劇場へ通ってしまうのかもしれませんね(n´v`n)
ジャニーズの方々の輝かしいパフォーマンスで、ガチガチに凝り固まった頭を柔らかくしていただきましたので、明日からまた歌舞伎を楽しく見ることができそうです(´▽`)