ただいま歌舞伎座で上演中の團菊祭五月大歌舞伎!
七世 尾上梅幸 二十三回忌
十七世 市村羽左衛門 十七回忌と銘打たれた公演で、
みどころいっぱいの演目がずらりと揃っています。
かなり上演頻度の高い昼の部「吉野山」について、少しばかりお話してみたいと思います。
舞台一面に満開の桜が
「吉野山(よしのやま)」というのは大変華やかな舞踊の演目。
桜の名所として知られる奈良県の吉野山が物語の舞台です。
舞台の上は満開の桜が咲き誇る吉野山の風景を模した大道具、中央にドーンと桜の大木が置かれます。
とにかくきれいな風景ですから、軽やかで美しいものが見たいなぁという時にはぴったりです。
義経千本桜より
人形浄瑠璃のメガヒット作である「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」がもとになっている作品であります。
そんな義経千本桜のなかの「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」という義太夫節が江戸へとやってきて、これまた大ヒット。
江戸好みの浄瑠璃にアレンジし、常磐津・富本・清元などなどさまざな音楽のジャンルに移して語られていったのだそうです。
この散り散りになったアレンジが明治時代、のちに劇聖と呼ばれた九代目團十郎という人物によってまとめられ、今の「吉野山」へと繋がっています。
驚きの展開が待っています
登場人物は義経の愛妾・静御前と、義経家臣・佐藤忠信のふたり。
本当にざっっっくりとお話しますと
1、都落ちとなった義経が隠れ住んでいるという吉野山へやってきた静御前が、
2、義経から形見にと渡された鼓をポンポンと打ってみると、
3、お供の佐藤忠信らしき人物がどこからともなく出現。
4、この鼓が佐藤忠信らしき人物のお父さん・お母さんだったという衝撃の事実は、後に発覚
といったようなものです。
……何を言ってるんだ…
とお思いになるかもしれませんが、詳しくはその二に続きますね。