ただいま上演中の七月大歌舞伎!
夜の部の復活狂言「駄右衛門花御所異聞(だえもんはなのごしょいぶん)」では、児太郎さんのご活躍がとても印象的でした。
この演目の序幕後半での衣装について、少しお話いたします(人'v`*)
赤い着物からのぞく格子模様のかっこよさ!
詳しい内容はちょっと失念してしまったのですが、遠州月本館の場であったと思います。
御殿では位の高そうな赤い着物を着てしずしずと上品にしていた児太郎さんが、
実は大泥棒・日本駄右衛門の手下のお才であった!
という本性を現して花道を引っ込んでゆく場面がありました。
ここで児太郎さんがお召しになっていた衣装が素敵でした。
赤い着物の右肩を脱いで、そこからスキッとした黒い格子模様が現れていたのです!
やややこれはカッコいいなぁΣ('0'o)
と感激してしまいました。
粋で力強い弁慶格子
この格子模様というのは「弁慶格子」と呼ばれまして
歌舞伎の衣装によく使われているデザインの一つです(人'v`*)
東京美術 歌舞伎の衣裳【鑑賞入門】より
ちょうどギンガムチェックのような、縦横同じ幅の太い格子模様のことをいいます。
ギンガムチェックのお洋服をお召しの方を見かけるとついつい、
おお、粋な格子ですねと思ってしまいます(*´艸`)
他の演目では
「義経千本桜 すし屋」のいがみの権太
「夏祭浪花鑑」の団七九郎兵衛・一寸徳兵衛
などが着ています。
粋なワルという印象を与える、かっこいい衣装です!
女形の衣装では「悪婆(あくば)」と呼ばれるジャンルの役柄でよく使われます。
悪婆というのは悪いおばあさんのことではありません(*´艸`)
心底惚れた男のためならば、悪事さえ働いてしまうような女性のことであります。
このお才さんもそのようなバックグラウンドがありましたね。
衣装がアイコンとして使われる、歌舞伎ならではのおもしろい演出だなぁと思いました(n´v`n)
弁慶格子の衣装を着た悪婆は他の演目でも登場しますので、
見つけてみてくださいね(´▽`)