先日、大阪松竹座にて
七月大歌舞伎の夜の部「盟三五大切」を見てまいりました(人'v`*)
この演目の見どころの一つである五人斬りの場面について
少しばかり調べてみましたのでお話したいと思います。
曽根崎五人斬り
「盟三五大切」では主人公の薩摩源五兵衛が、
入れ込んでいた芸者の小万とその亭主の三五郎に騙され裏切られたことを知り
寝込みを襲って五人の人を男女の区別なく無残に斬り殺す
という有名な場面があります。
この薩摩源五兵衛という役には実在のモデルがいるのだそうです。
その人は早田八右衛門という薩摩のおさむらいさんで、
とても真面目で誠実な人でありました。
年のころは40代頭あたりだそうです。
大坂でのお勤めが終わり帰ろうというところへ殿様の用事があり、
引き続いて大坂に拘留しなければならないことになりました。
そうこうしている間にうっかり菊野という遊女に惚れこんでしまい、
八右衛門はとうとうお家のお金まで使いこんでしまったのです(・_・;)
真面目なおさむらいさんというのは、こういう時にたがが外れたようになってしまうのでしょうか…
そんな状況の中で八右衛門の想い人の菊野は、
八右衛門の大切なお金を使って恋人に会ったり…と奔放な行いを繰り返していたのです。
それゆえ一途で真面目な八右衛門の怒りが大爆発してしまったのでした…
1737年7月3日
八右衛門は大阪北の曽根崎新地の呼屋大和屋十兵衛で
菊野をはじめとする5人もの人を斬り殺してしまったのです(・0・;)
八右衛門は薩摩へと帰還したもののまもなく捕まり、大坂で処刑されたとのこと。
この事件は「曽根崎五人斬り」と呼ばれて広まりました。
この曽根崎五人斬りは浄瑠璃の題材とされて
「島廻戯聞書(しまめぐりうそのききがき)」
「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」
などなどいろいろなお芝居が作られたのだそうです。
つい最近もこのようなお話をしたなぁと思っていましたが、
「伊勢音頭恋寝刃」の古市十人斬りでした。
男の人が一途に思っていた女性に裏切られて斬り殺してしまうというお話は
歌舞伎の演目にたくさんあります。
内容を真摯に受け止めてしまうとなかなか重いものですが、
そんな恐ろしい殺しの場面が理屈抜きにただただ「美しい」というのも
歌舞伎のおもしろいところだなぁと思います(人'v`*)