ただいま歌舞伎座で上演されている吉例顔見世大歌舞伎!
夜の部「新口村」について少しばかりお話いたします。
初めてご覧になった方にとって、何らかのお役に立てればうれしく思います(人'v`*)
梅川と忠兵衛が抱える事情
今月この「新口村」を初めてご覧になった方は、
「何があって梅川と忠兵衛は逃げているのかなぁ」
と疑問に思われるのではないかと思いましたので、
今回はこの演目の前提についてだけとても簡単にお話いたします。
実はこの演目は「恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)」というお芝居の最後の場面にあたる部分です。
恋飛脚の部分は「こいのたより」と読むときもあります。素敵ですよね(n´v`n)
これでおしまいということはこれまでがあるわけで、
本当にざっくりと「新口村」にいたるまでのお話をしますと
- 飛脚問屋の若旦那・忠兵衛は、遊女の梅川と馴染みの仲
- ある日、嫌味な友人の八右衛門に梅川の身請けの件で挑発され、飛脚屋で預かっている公金の封を切ってしまった
- 当時は【公金の封を切る=公金横領=死罪】
- 忠兵衛は、心中を決めて梅川とともに父の住む故郷の大和を尋ねることに…
といった具合だったのです。
そのうえ忠兵衛は飛脚屋の養子に入っており、
実のお父さんである孫右衛門にも再婚した家庭があり、
色々な事情の上での物悲しい再会だったわけでした。
今月の上演期間もあと1日となってしまいましたので、
新口村についてもまたの機会に調べ、改めてお話できたらいいなと思います(人'v`*)
「新口村」の前提にあたる場面は
「封印切(ふういんきり)」という名前でしばしば上演されています!
さほど遠くないうちにまた上演があると思いますので、
こちらについても詳しくお話できたらうれしいです。