今月、歌舞伎座では江戸時代の超ロングランメガヒット作品
「国性爺合戦」が上演されていました!
作者は近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)
生涯に書いた歌舞伎脚本は30余編、
浄瑠璃は時代と世話を合わせて100編以上という多作ぶり。
作者の氏神、日本のシェークスピアなどと称され
日本の戯曲にあまりにも大きな功績を残された方であります!
武士の家に生まれて
庶民の心を巧みに描いた近松ですがもともとは武家の方で、
越前吉江藩藩士の次男・杉森信盛(のぶもり)として福井に生まれました。
その生涯はいまだ謎に包まれております。
なんらかの理由で10代の頃お父さんが浪人になってしまったらしい…
京都へいってお公家さんに仕えたらしい…
そしてどういうわけか20代半ばには浄瑠璃を書き始めたらしい…
などと伝わっているのです。
そして今に伝わる義太夫節の創始者である竹本義太夫さんと出会い、
出世作を次々に発表。近松門左衛門と名乗るようになりました。
当時は作者が名前を出すのはタブーとされていたそうで、
物議をかもしたとも言われています。
当時は武士とこうした庶民の芸能とは大きな隔たりがあったはずですから、
近松がこのような仕事を選んだのはかなり異例なことだと思います。
しかし武家のくらし、公家のくらし、そして庶民のくらしを見てきたからこそ
多くの人の心を動かす作品を次々に生み出すことができたのかもしれません。
そんな偉大なる近松のスランプ時代を松尾スズキさんがお勤めになった
NHKドラマ「ちかえもん」も愉快でおすすめです!
参考:日本大百科全書/大江戸まるわかり事典