この六月は生まれてはじめて博多の地へ降り立ち、
博多座で六月大歌舞伎を見てまいりました!
この機会に少しばかり博多の思い出をお話いたしますので、
いつか遠征なさる方のお役に立てればと思います。
梅王丸の気分で
歌舞伎ファンが「福岡」と聞いて、
博多座の次に連想するのは太宰府天満宮ではないでしょうか。
三大狂言のひとつ菅原伝授手習鑑のモチーフである
菅原道真と飛梅の伝説の地、日本全国の天神様の総本宮であります!
菅原伝授手習鑑での菅原道真、菅丞相といえば仁左衛門さんの当たり役であります。
菅丞相を追って太宰府へ飛んでいく梅王丸の気分で
このすえひろも太宰府参りをしてきたのですが、
そのうち仁左衛門さんがお勤めになっていた菅丞相と
本物の菅原道真の境がよくわからなくなり、脳が異常な興奮状態になりました。
そこかしこに天神様の梅があしらわれていて素敵でした。
写真からは一切伝わりませんがこの空間はものすごい喧噪に包まれています。
外国の方に大人気の観光スポットのようです。
伝説の飛梅も!
飛梅伝説とは菅原道真が、都から遠く離れた太宰府へと左遷されるとき、
梅の木に「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」と詠んだところ
梅の木が太宰府へと飛んできた…というものです。
まさにその飛梅であるといわれているのがこの木であります!
樹齢1000年を超えるという立派な梅です。
枝は苔むしていて、長い歴史を感じました。
仁左衛門さん植樹の梅
そして、太宰府に来たからには見逃せないのが
2015年3月に歌舞伎座で菅丞相をお勤めになる前に
仁左衛門さんが植樹なさった梅の木であります!
外国人の観光の方がぎっちぎちに押し寄せてなかなか身動きが取れず、
しかも非常ににぎにぎしく、日本人を数えた方が早いのでは…
と思ってしまうほどの太宰府天満宮にてこの木の特定に奔走し、
神職の方々に質問を重ねて、
天満宮向かって左手の心字池のほとりにようやく発見いたしました!
葉が青々と生い茂り、立派な梅の木でありました…!
下げられた札を見て、ご本人を目の前にしているような錯覚に陥ります…!
すぐ近くで自撮りをなさっていた外国人女性のグループに、
「これは日本の人間国宝である素晴らしい歌舞伎役者の方が植樹なさった梅ですよ」
とお伝えしてまわりたいのをぐっとこらえて、
同行した姉が呆れるほどにこの木だけをバシバシバシバシ連写してまいりました。
博多からは小一時間かかる太宰府ですが、心の底から来た甲斐があったと思いました。
帰り道には、太宰府名物の梅ヶ枝餅を食べ歩きしました。
参道には梅ヶ枝餅を売るお店が40ほど並んでいて迷ってしまいます!
名物は日本全国にありますが、こんなにも一つのメニューが密集している観光地を見たのは初めてです。
取り決めがあるのかどのお店も120円でした。
せっかくなので2軒食べ比べてみましたが、
しっとりとしたモチモチ感が美味しいお店、カリカリの焼き目が美味しいお店、
などといろいろに個性があるようです。
観光地らしくキムチ梅ヶ枝餅、チーズ梅ヶ枝餅などいろいろとあるのかと思いきや、
どの店もシンプルなあんこ一本勝負。上品な甘さが非常においしかったです!!
梅ヶ枝餅はとても奥深い甘味であるということがわかりました。
梅ヶ枝餅のお店ではありませんが、「松嶋屋」もあります。
参道には梅グッズがたくさんあり、梅好きの私は目移りしてしまって大変でした。
太宰府天満宮では天神様の総本宮らしく御利益ありげな学業成就守や、
梅の実を使ったお守りやなどが充実していましたが
私はこの「夢守り」なる珍しいお守りを購入してみました。
努力の人・菅原道真公にあやかり
梅の花が花開くがごとく夢が叶いますように…という願いが込められた糸で、
身につけたり大切なものにくくりつける珍しいスタイルのお守りです。
どこにくくろうか、いまだ考え中であります。