早いもので七月も今日で終わり…
暑さは体にこたえますが今月も芝居がたのしいひと月でありました。
お読みいただいているみなさまも、どうぞ暑さにお気をつけくださいね。
「いまは疑い晴れ申した」
私にとって今月最大の思い出といえばやはり
大坂松竹座の七月大歌舞伎 昼の部「勧進帳」です。
これは一生忘れたくない、目に焼き付けておきたい、という場面が
自分の中にいくつもあることは本当にしあわせなことだと思います。
判官どのにもなき人を 疑えばこそ かく折檻もしたまうなれ いまは疑い晴れ申した
というセリフの間にある富樫の心の動きが、
客席にいる自分の中に猛烈な勢いで迫ってきて、
鳥肌が立つとともに涙があふれ出したことを忘れません。
もしかしたら本当にもう見られないのかもしれませんが、
あの1時間10分のおかげでこれから自分が見る一生分の勧進帳が
素晴らしいものになるはずだと確信しています。
余談ですけれども、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式で、
狂言師の野村萬斎さんが演出統括をお勤めになるそうですね!
もしかしたら演出のひとつとして歌舞伎役者の方々も登場するかもしれないなぁと、
いまからワクワクドキドキしております。
萬斎さんが統括なさるのであれば、数百年にわたり練り上げられてきた
古典芸能の「様式」のかっこよさが世界中にしっかりと伝わりそうです。
それはおそらく世界中はもちろんのこと、私たち日本人にも伝わるはずですね。
この誇りがあれば怒涛の現代を生きていけそうだ…と思えるような、
そんな開閉会式になったらうれしいなぁと思います。
それはそうと、まずは来月ですね。
来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。
楽しみに今夜は休みたいと思います!