歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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九月をふりかえり… 2018年

早いもので今月も今日で終わり…

久しぶりに歌舞伎座で濃厚な古典歌舞伎に浸ることができてしあわせでした…

また、何度も何度も繰り返し見たはずの演目の奥行きを

吉右衛門さんに見せていただいたような思いのする大変豊かなひと月でありました。

 

何事もなるべく好き嫌いしないというのが自分のモットーでしたが、

それでもやはり苦手な芝居というのはあるもので、

そんな苦手な演目の印象ががらりと変わる素晴らしい体験ができるのなら、

好き嫌いも少しは持ってみるものだなあと思いました(´▽`)

 

今月は秀山祭のほかに、9月文楽公演の第一部を拝見してまいりました!

近ごろは技芸員の方々の区別も徐々についてまいりまして、

好きな方もできてぐっとおもしろくなってきました。

ついつい床ばかり見てしまうので、次の課題はお人形をしっかり見ることです。

次回も大変楽しみにしております。

 

また、深川江戸資料館にて露の新治さんの上方落語を聞いてまいりました!

私は生まれも育ちも東京下町でして江戸弁というものには耳慣れているつもりです。

しかしながら上方落語というものはなかなか聞く機会がなかったため、

20歳のころ大坂を旅した際に、ちょっと思い立って天満天神繁昌亭に出かけました。

 

そうしますと、仰天しました…

猛烈なスピードの大坂のことばをまともに聞き取ることができなかったのです…!

テレビで見ている大阪の芸人さんの漫才とも全然違う、

ほとんど外国の音楽のような感じなのです。

その前日なんばグランド花月に出かけた時はキチンと聞き取ることができたのに、

どうしたことかと驚きました。

 

このころといえばたまに歌舞伎を見て楽しんでいるだけで、

義太夫がどうの、上方がどうの、ということは全く知らずにおりましたので、

江戸時代の上方の言葉に耳が全くついていけなかったのだと思います。

 

それから、どんどん大阪が好きになり、義太夫が好きになり、

上方文化が好きになり、10年という歳月を経て今回、

露の新治さんの落語を聞いてみますと、しっかりと聞き取ることができました!

上方落語の柔らかい味わいってこんなに素敵なものだったんだ…と

ようやくわかり心底うれしく思いました。

 

また、さらにさらに大坂が好きになりました。

落語の内容もなんだか江戸のものとは違って景気が良いのだなと。

現実問題、江戸の人々とは比べものにならないほど金銭的に豊かであったことが

噺の端々からうかがえて、たいへん興味深く思いました。

暮らし向きが違えば生まれる噺も笑いどころも変わってきますものね。

東京ではなかなか聞く機会のない上方落語、また機会があればぜひ聴きたいと思います!

 

来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今日は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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