歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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昼の部を見てきました 2018年11月

歌舞伎座で上演中の吉例顔見世大歌舞伎!

この週末を利用して、このすえひろもさっそく見物してまいりました!

昼の部・夜の部ともに拝見しましたので、少しばかり感想をメモしておきたいと思います。

まずは昼の部から…

「ファン」とはそんなもの

昼の部は「お江戸みやげ」「素襖落」「十六夜清心

親しみやすい近代生まれの人情話に、たのしい舞踊、そして黙阿弥の世話物という

バランスの良い狂言立てで心地よく芝居見物ができました。

 

十六夜清心」は尾上右近さんが清元栄寿太夫のお名前で

浄瑠璃方に初お目見得という記念すべき舞台、綺麗なお声に感激いたしました!

当然のことながら、どちらにおいてもその道の「プロフェッショナル」として舞台に立たれているのであって、

右近さんは清元にも挑まれる大変器用な役者さんだというイメージはもはや失礼だなと反省いたしました。

今後も浄瑠璃方としてのご活躍を大変楽しみにしております!

そしてまた菊五郎さんの名ぜりふ、人間わずか五十年…には

もう鳥肌が立つほどに興奮いたしました!千穐楽まで、幕見で何度か拝見したいものです。

 

そしてまた想像以上に染み入ったのが「お江戸みやげ」であります…!

これは地方から行商に出てきた倹約家のおつじさんという女性が、

江戸で芝居を見て惚れてしまった役者さんを助けるため、

普段なら考えられないほど大胆な行動に出てしまう…というお話です。

 

日頃の生活ではものすごく倹約しているけれど、

好きな役者さんのためだったらもうそんなのはどうだっていい、

その人の芝居に出会えただけでこの先一生しあわせでいられる…という心境は、

歌舞伎に限らず、ジャニーズでも宝塚でも、

「スター」という存在を猛烈に応援したことのある女性ならば、

誰もが共感できる心境ではないでしょうか。

 

推しのためならもう実生活とかどうでもいい、

推しがしあわせならそれだけでもう充分しあわせ、

生まれてきて舞台に生きてくれただけで一生分の感謝を捧げたい、

…という心境です。

 

すえひろもまたこれまで芝居に費やしたお金の総額を思い、

そして、そんな物差しではとてもはかることができないこの上ないしあわせを思い、

おおおお…と泣いてしまいました。゚゚(´□`。)°゚。

なんらかの「ファン」の方にはぜひご覧いただきたい一幕です!

 

今月の幕見席

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