先日、京都 祇園四条の南座で行われている顔見世大歌舞伎にて、
2018年の芝居納めをしてまいりました!
せっかくの旅でしたので、感想を少しばかり記しておきたいと思います。
桜の花びらをそっと懐に…
昼の部は「寺子屋」「鳥辺山心中」「ぢいさんばあさん」「新口村」という狂言立てでありました。
上方を舞台にした演目が続き、冬の京都というムードが高まります。
なかでも心に残ったのはやはり「ぢいさんばあさん」です!
仁左衛門さんが「ぢいさんばあさん」は度々上演されていますが、
私にとっては前の歌舞伎座で2010年に上演された玉三郎さんとのものが最後でしたので、
とにかくものすごく久しぶりに拝見したわけであります。
前回の思い出の通りに伊織さんとるんさんというラブラブな夫婦が、
長い年月離れて色々あったけど変わらずラブラブだったいいお話という印象に
大きな変わりはなかったのですが、ひとつたまらない発見がありました。
それは伊織さんが刀を買ったお祝いに鴨川の料亭でお友達と宴会をしている場面。
江戸にいるるんさんは家のお庭の桜の花びらを集めて同封するという
とてもロマンチックなお手紙を京都の伊織さんに送っていたようです。
お酒が弱い伊織さんは、その花びらをお友達の前でふわ~っと舞い散らせて見せて、
みんなで「江戸の桜だ懐かしいなあ」と楽しみます。
この時、扇でひらひらとあおいで舞い散ったたくさんの花びらのうち、
たった一枚だけを大切に取って懐にしまう…という動きがあったのです。
セリフなどもなく、本当に何気ないほんの一瞬のしぐさなのですが、
このことだけで伊織さんのるんさんへの思いが、もう痛いほど伝わってきました。
その後で年老いた伊織さんが同じく年老いたるんさんと再会しているのを見て、
きっとあの一枚の花びらも、37年間伊織さんの心の支えになっていたのだろうと思い…
ラブラブな夫婦の物語がぐぐぐっと奥行きを増し、
\ああーーー!!!仁左衛門さーーーーーん!!!!!/
と胸の中でひとり絶叫しました…!
仁左衛門さんのお芝居が本当に好きだなあとつくづく思います…
こういう楽しみがあるので、つい何度も何度も足を運びたくなってしまうのですね。
長くなってしまいましたので、夜の部に関してはその②続きます!