先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけ…
秀山祭九月大歌舞伎の昼の部を見てまいりました!
個人的な感想をほんの少しばかりメモしておきたいと思います。
今月の昼の部は1時間40分ほどの「幡随長兵衛」から始まり、
「お祭り」から2時間弱の「沼津」へと続く濃厚で贅沢な狂言立て。
「幡随長兵衛」はそれほど好きな芝居ではないのですが、
幸四郎さんの長兵衛と松緑さんの水野というお若い配役で新鮮でした。
なかでも歌昇さんの出尻清兵衛が情深く印象的でありました。
続く「お祭り」では梅玉さんが和太鼓を軽やかに叩くという
なかなか珍しいところを拝見して妙に興奮してしまいました。
そしてなんといっても「沼津」がたまらず、
ユーモラスな場面、心温まる場面から、ドーンと突き落とされるような悲劇は何度拝見しても涙してしまいます。
特に吉右衛門さんの十兵衛が、雀右衛門さんのお米に一目ぼれするシーンが忘れられません。
舞台から遠い3階席から拝見していたのに、その瞬間に頬がぽっと赤らむのがありありと見えるようでした。
そのかわいらしさと色っぽさに実年齢をすっかり忘れてしまい、
年齢をひょいと超越してしまう歌舞伎のおもしろさをつくづく感じました。