歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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2日初日!国立劇場 令和5年9月歌舞伎公演『通し狂言 妹背山婦女庭訓<第一部>』

昨日2日、東京半蔵門の国立劇場にて令和5年9月歌舞伎公演『通し狂言 妹背山婦女庭訓<第一部>』の幕が開きましたね!おめでとうございます!

今月・来月をもっていよいよ第一期国立劇場のさよなら公演も大詰です。広々として美しく、三階席の最後方からでもよく見える素晴らしい劇場空間が失われてしまうのは本当に残念で、寂しく思います。せっかくの機会ですので、初めての方やお若い世代の方にもぜひにとおすすめいたします。

恋の悲劇「妹背山婦女庭訓」第一部

国立劇場さよなら公演の大詰は古典の名作「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」。9月は第一部・10月は第二部に分けて上演されます。

妹背山婦女庭訓は、飛鳥時代のできごと「大化の改新」をモチーフとした物語です。いろいろと複雑な要素が絡んでくるのですが、歴史実録ではなく完全なフィクションですのでご安心ください。初めてご覧になる場合はとにかく「ハードモードなラブストーリー」であるという大枠を念頭に置いてご覧になることをおすすめいたします。

 

今月上演される第一部の目玉は「吉野川」の場面。政治的に敵対する二つの家庭において、それぞれの息子と娘が恋に落ちた結果、悲劇的な結末を迎える…という洋の東西を問わない普遍的な物語であります。

父母の思い、若者たちの思い、政治の思惑などなど、様々な「へだたり」が、二つの家の間を流れる大きな川の大道具で表現されます。客席の両側に花道が設置される壮大なしかけで、独特の臨場感があります。上演頻度が高くなく、歌舞伎座でもしばらくの間上演されていない名場面ですので、この機会にぜひにとおすすめいたします!

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