歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【来たる9日】京の年中行事 當る辰歳 吉例顔見世興行 チケット一般発売!

来たる9日(木)は京都は南座で12月に行われる
京の年中行事
當る辰歳 吉例顔見世興行

市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台のチケット一般発売日です!

11月というのに夏のような陽気がぶり返しており、とても京都の顔見世が近いとは思えない状況ですけれども、チケット販売が差し迫っております。南座の顔見世は冬の風物詩であり、毎年全国各地からお客さんが訪れる人気の公演です。さらに今回は團十郎襲名披露とあって、さぞやにぎわうのではないかと思います。チケットはお早めのチェックをおすすめいたします!

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

一般発売日

11月9日(木)10:00~

【チケットWeb松竹】

会期・上演時間

2023年12月1日(金)~24日(日)

昼の部 10:30~

夜の部 15:45~

休演:7日(木)、13日(水)、18日(月)

貸切:23日(土)昼の部、10日(日)夜の部 ※土日のため注意

チケット料金

一等席    25,000円
二等席A 12,000円
二等席B 10,000円
三等席  8,000円
四等席  6,000円
特別席  27,000円

※襲名披露価格、かつ座席区分が細かいため注意

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みどころ

京都祇園の冬といえば恒例行事「吉例顔見世興行」です。コロナ禍以降三部制での開催が続いていましたが、今年は二部制にて團十郎襲名披露が行われます。江戸歌舞伎の大名跡・團十郎家ゆかりの演目が京都の顔見世にずらりと並ぶという、襲名披露ならではの狂言立てです。

顔見世興行は、南座の玄関にご出演の役者さんの名前を書いた「まねき」がびっしりとかけられることでも知られていますので、「團十郎」のまねきはぜひ写真に収めたいシーンですね。

 

京都の顔見世といえば終演時間が遅い事でも知られていたのですが、ここ数年は比較的早く終演しています。今年は20時半ごろ終演の予定のようですが、祇園四条から京都駅は乗り換えが必要で、少し時間がかかります。遠征なさる方はご無理のないよう、何卒お気をつけくださいませ。

また、10日(日)の夜の部と、最後の土曜日である23日(土)の昼の部は貸切です。週末の遠征を計画されている方は、こちらも何卒ご注意ください。

 

今回初めて歌舞伎をご覧になる方もおいでかと思いますので、各部の演目の内容についてごく簡単にお話いたします。

 

昼の部は「双蝶々曲輪日記 角力場」「歌舞伎十八番の内 外郎売」「男伊達花廓」「歌舞伎十八番の内 景清」です。

双蝶々曲輪日記 角力場」は、スター力士がアマチュア力士にわざと負ける、その理由とは…という歌舞伎らしさにあふれた名シーンです。

続く「歌舞伎十八番の内 外郎売」は、薬のういろうの売り文句を早口で言い立てるという、いわば昔のCMのような名シーンです。新之助さんが見事な言い立てを披露する場面がよくテレビで報じられていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

男伊達花廓」は、團十郎さんが娘さんのぼたんさんと共演される舞踊です。歌舞伎興行での貴重な父娘共演ですので、観客にとっても後に思い出深い一幕となるものと思います。

最後の「歌舞伎十八番の内 景清」は、團十郎さんが海老蔵時代から数多くお勤めになっている悪七兵衛景清を主人公とした演目です。悪七兵衛景清は、超人的なパワーで鎌倉幕府に抗う勇猛果敢なヒーローとして愛されてきた存在で、舞台でもとんでもない迫力を発揮します。歌舞伎と聞いて多くの方がイメージされるようなド派手さがありますので、初めての方にもおすすめです。

 

夜の部は「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」「口上」「歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜」です。

仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」は、通称「七段目」といって、赤穂浪士の討ち入り事件を描いた忠臣蔵の名シーンです。主君・塩冶判官(浅野内匠頭)の仇を討とうと画策している大星由良之助(大石内蔵助)は、敵の目を欺くために祇園町で遊興三昧を装っている…そんな状況で展開するドラマであります。

実際の大石内蔵助が遊んでいたという一力という茶屋が南座の並びにあり、冬の京都で見るには最高の演目であると思います。主役の大星由良之助は、仁左衛門さんがお勤めになります。当代の配役で見られる最高峰の舞台ですので、心からおすすめしたく思います。

続く「口上」は、白塗りの歌舞伎役者の方々が舞台の上にずらりと並び、襲名披露などに際してのご挨拶を述べる儀式です。テレビなどでもご覧になったことのある方が多いのではないでしょうか。今回は團十郎さんの襲名披露ですから、お馴染みの「にらみ」があると思います。こちらは必見です。

最後の「助六由縁江戸桜」は、江戸一番のモテ男・花川戸助六が吉原を舞台にこれでもかこれでもかとカッコよさを見せつけるユーモアにあふれた演目です。とにかく豪華絢爛で出演者も多く、うっとりと歌舞伎の舞台に酔いしれることができる時間であります。今回は歌舞伎座での襲名披露からグッと若い配役での上演です。團十郎さんの助六は、立体化して家に飾りたいような芸術的フォルムですので、こちらも必見であります。

 

初めて歌舞伎をご覧になる方にはどちらの部もおすすめですが、京都の顔見世ということを考えますと、個人的には夜の部をおすすめしたいところです。とにかく仁左衛門さんをご覧いただきたいのであります。

また「口上」で裃姿の歌舞伎役者の方々が舞台上にずらりと並ぶようすは、テレビのニュースなどでもお馴染みかと思います。生で体験すると圧巻ですし、襲名披露などのタイミングでないとなかなか見ることができないものですから、ぜひにとおすすめいたします!

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