歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。 歌舞伎歴10年の20代。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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やさしい盟三五大切 その四 薩摩源五兵衛 実は伝説のイケメン

ただいま歌舞伎座で上演中の

八月納涼歌舞伎

第三部「盟三五大切」は大変有名な演目ですので、この機会に少しばかりお話いたします。

芝居見物の楽しみのお役に立てればうれしく思います!

 

伝説のイケメン 薩摩源五兵衛

盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)は、

血みどろな物語を描いたら右に出るもののない大南北こと

四世鶴屋南北のスプラッターラブサスペンス作品であります。

 

主人公の浪人・薩摩源五兵衛

愛して入れ込んだ深川の売れっ子芸者・小万とその夫から裏切られ、

関係者からなにからばっさばっさと斬り捨てるという

とんでもない惨劇を起こしてしまいました。

 

薩摩源五兵衛は大坂北曽根崎新地の遊女惨殺事件「曾根崎五人斬り」の犯人である

薩摩藩士の早田八右衛門がモデルですが、

実はそれとは別にネーミングのヒントとなる存在があったようであります。

 

それは

高い山から 谷底見れば 薩摩源五兵衛は 目に立つ男

と古くから歌にされてきた、薩摩の国の有名な色男・薩摩源五兵衛

 

 1663年(寛文3年)ごろ薩摩の国に実在した

心中事件を起こした人物とされていますが、詳細は謎に満ちています。

やがて薩摩源五兵衛は「よくわからない伝説のイケメン」として、

小説や浄瑠璃、歌舞伎にしばしば登場するようになります。

 

中でも有名なのは井原西鶴の「好色五人女」であります。

ここでは薩摩源五兵衛は男色の麗しい男性として描かれているそうです。

愛する美少年たち二人と死に別れてしまったことで入道となった源五兵衛は、

どういうわけかおまんという女性の求婚に応じ夫婦になる…というお話ののようです。

 

そもそもこのおまんという女性が、元ネタの心中事件の相手とされており

おまん源五兵衛という題材で語り継がれています。

源五兵衛の方を男色と設定し、しかも愛する美少年2人を死なせ、

そしてようやくおまんと出会わせるという西鶴、ぶっ飛んでいるなぁと思います。

 

好色五人女に関しては不勉強にて未だ読んでおりませんが、

あらすじを見る限りなんでもありという感じで清々しく、おもしろいですね。

日本は本当に自由でおおらかな国だったんだなぁと驚かされます。

 

こうした自由さには近代化や西洋の影響で失われてしまった部分も多々ありますが、

人々の楽しみの間では充分残っているとも思えます。

これこそ先日お話した芭蕉と曾良の流麗なイラストのように

漫画化したらば人気が出るのではないでしょうか…!ひょっとしてもうありますか…?

 

戦国や幕末のイケメンとの恋愛ゲームのCMをよく見ますけれども

ぜひ浄瑠璃のイケメンたちのゲームをやってみたいです。

ダメンズが大半になりそうですが、それはそれで楽しめそうですよね(´▽`)

 

参考:日本大百科全書/歌舞伎登場人物事典

歌舞伎登場人物事典(普及版)

歌舞伎登場人物事典(普及版)

 

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