昨日に引き続き、
ただいま歌舞伎座で上演中の秀山祭九月大歌舞伎より「一條大蔵譚」のお話をしたいと思います。
まずはこの演目で描かれている部分に至るまでの前提から「檜垣」の部分までのお話です…
これまで
平治の乱で平清盛を倒そうとしていた源義朝!
しかしその目論見は外れ、義朝は家臣から殺害されることとなり、源氏は凋落してしまいました…
そして義朝の子・頼朝は、伊豆に島流しに…
義朝の愛妾・常盤御前が産んだ三人の子ども今若・乙若・牛若はお寺に預けられることとなりました。
牛若というとなんだか耳に覚えがありますよね。
ご存知かと思いますが、これはのちの義経のことです!
歌舞伎ファンにとっては大変馴染み深い義経…
この演目の中で義経が活躍する場面などはありませんが、
常盤御前を「あの義経のお母さんなんだなぁ…」と思って見ると、気持ちがより伝わってくるかもしれません。
さて、義朝の愛妾である常盤御前はどうなったかと言いますと、
一度敵方の清盛に預けられたあとで
公家の一篠大蔵長成というとてもフワフワした男のもとに妻として渡され、大蔵館で暮らしています。
この一條大蔵長成は「阿呆」と呼ばれて世間でも有名になっている人物。
毎日毎日飽きもせず能や狂言にうつつを抜かしているような男なのでした。
そんな中…
源氏の再興を密かに企てている義朝の元家臣である吉岡鬼次郎は、
常盤御前は一体どういうつもりなんだ?!と思っていました。
その真意を確かめるべく、
妻・お京を女狂言師として大蔵館に送り込むことにしたのでした…
千穐楽は25日!
秀山祭九月大歌舞伎はまだまだ続きます!
このシルバーウィークのお出かけにいかがでしょうか