ただいま国立劇場で上演中の
通し狂言 仮名手本忠臣蔵!
長い長い物語は3カ月に分けられ、10月は大序から四段目までを上演中です(o´v`)ノ
今月は歌舞伎座での豪華な芝翫襲名披露がありなかなかお話の割り振りが難しいのですが、歌舞伎ブログとしてやはり仮名手本忠臣蔵を素通りしてしまうわけにはゆきません…
歌舞伎にとって本当に大切な演目ですので、すえひろも3カ月にわたり非常に簡単にではありますがいろいろなお話をしてゆきたいと思いますのでよろしければお付き合いください(人'v`*)
元は人形浄瑠璃
仮名手本忠臣蔵は寛永元年(1748)8月に大坂の竹本座で初演された人形浄瑠璃で、竹田出雲・三好松洛・並木千柳ら複数の作者により書かれた作品です。
元禄時代に起こった赤穂浪士の討ち入り事件を脚色したこの浄瑠璃は大評判となり、なんとそのわずか4ヶ月後の12月、大坂で歌舞伎として上演されています!
当時は新しいお芝居をどんどんどんどん作り、人形浄瑠璃で大当たりになればすぐさま歌舞伎化するという、大変活気ある興行システムが存在していたんですね(´▽`)
三大狂言のひとつ
人形浄瑠璃から歌舞伎化されたお芝居は 義太夫狂言や丸本歌舞伎と呼ばれていますが、この仮名手本忠臣蔵はその中でも【三大狂言】のうちの1つに数えられる大作であります(人'v`*)
歌舞伎役者の方々はこの仮名手本忠臣蔵を一通り学び、すぐにでも演じられるよう修行なさっているという、歌舞伎の世界の中でも特に重要な演目です。
忠臣蔵といえば江戸城内で吉良上野介に斬りつけた浅野内匠頭が即日切腹となり、家老の大石内蔵助たち四十七人の浪人が吉良上野介を討ち果たす、という実際に起こった大変有名な事件ですよね。
忠臣蔵をモチーフにしたお話はこの仮名手本忠臣蔵に限らず、テレビドラマや映画でも様々作られ長らく日本人に愛されてきました。
先日、渋谷らくごというものを聞きに行った折、講談の神田松之丞さんが
「忠臣蔵で描かれているのは忠義じゃない。別れなんだ」というお話を聞いて、ほほーなるほどなと思いまして
…というようなお話をなさっていました。
すえひろもそのお話を聞いて
ああ本当にそうだ、だから忠義の心が希薄な現代人である私もつい涙してしまうんだなぁ(ノ_・。)
と忠臣蔵の普遍的な魅力を改めて噛み締めた次第です。
補足
今日はこのあたりで終えたいところですが、せっかくですので三大狂言を羅列してみたいと思います!
仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
の三本です(o´v`)ノ
どれも涙なしには見られぬ悲劇を散りばめた壮大なストーリーで、現代でもなお衰えぬ人気を誇るだけの魅力があります。
いつか歌舞伎を見てみたいけれど何を見たらいいか…という方は、まずはこの三大狂言からの演目をご覧になってみるというのも良いかもしれません(人'v`*)