国立劇場では50周年を記念し
通し狂言 仮名手本忠臣蔵
を三か月にわたって上演中です(人'v`*)
義士たちと共に、非常に厳粛な空気のなかで塩冶判官の切腹を見届ける仮名手本忠臣蔵の四段目。
塩冶判官の無念の死があってこそこのドラマが成り立っているわけですから、最も重要な一幕とも言え、儀式としての切腹が非常に美しく描かれています。
日本人の感覚ではこういった切腹シーンを目の当たりにしても今さら怯えたり動じたりすることはありませんし、むしろ武士の魂に心動かされる場面ですが、
よく考えれてみればショッキングなものですよね(・_・;)
外国の方からも「サムライ、ハラキリ」と言われてしまうほど強烈で、グロテスクに感じられるのももっともかと思います。
歌舞伎の演目では四段目の他にも切腹の場面がたくさん出てきますが、そんな切腹の具体的イメージとは裏腹に非常に美しく様式的に演出されています。
その際に頻繁に登場する言葉が
「九寸五分(くすんごぶ)」です。
切腹に用いる短刀が9寸5分(約29センチ)であったため、
「九寸五分」=「切腹」というのが伝統芸能のお約束になっています。
竹本の語りの中でも
「九寸五分手に取り…」「九寸五分突き立て…」のような詞で登場しますので、太夫の語りにもご注目くださいね(人'v`*)
かなりおぼろげな記憶ですが、
たしか黒柳徹子さんが勘三郎さんの思い出をお話なさっていた時のこと…
幼いころの勘三郎さんが、徹子さんに向かって夢中になって「九寸五分」のお話をなさっていたのだそうです。
「普通の子供は”九寸五分”なんて話に出てきませんからね」と笑っていらした徹子さん。
歌舞伎のおうちのお子様方の環境の違いを感じるたのしいエピソードでした(´▽`)